八十八鍵の宇宙　Orangestar

(こぼれおちたことばうみへ)

零れ落ちた言葉　海へ

(だれにだれにとどくか)

誰に　誰に届くか

(あふれだしたこのおとうちゅうへ)

溢れだしたこの音　宇宙へ

(だれがだれがしるのか)

誰が　誰が知るのか

(ぼくがいきてゆくこのひびに)

僕が生きてゆくこの日々に

(なにがなにがのこるか)

何が　何が残るか

(ぼくがいきたえるそのひに)

僕が息絶えるその日に

(なにをなにをしるのか)

何を　何を知るのか

(まとまらないことばどおりのことばが)

まとまらない 言葉通りの言葉が

(あてもなくおんがくになって)

宛てもなく音楽になって

(またぼくのなかにもどっていく)

また僕の中に戻っていく

(つたわらないおもいどおりにもうたえない)

伝わらない 思い通りにも歌えない

(けどそれはそれでいいだろうぼくはぼくだろ)

けどそれはそれでいいだろう 僕は僕だろ

(ほしのまたたきみたいなあすをただ)

星の瞬きみたいな 明日をただ

(ただおいかけるだけじゃなにもうまれはしないや)

ただ追いかけるだけじゃ 何も生まれはしないや

(ひびけそらたかくわらうようにうたっていく)

響け空高く 笑うように歌って征く

(はかなくもつづいてくひび)

儚くも続いてく日々

(ただひとつのみちしるべさえ)

ただ一つの道標さえ

(もっちゃいないよのなか)

持っちゃいない世の中

(どこへどこへいくのか)

何処へ　何処へ行くのか

(しぼりだしたことばうみへ)

絞り出した言葉　海へ

(だれがだれがしるもんか)

誰が　誰が知るもんか

(ひねりだしたこのおとうちゅうへ)

捻り出したこの音　宇宙へ

(だれがだれがきくもんか)

誰が　誰が聞くもんか

(ものたりないきのうとおなじぼくじゃさ)

物足りない 昨日と同じ僕じゃさ

(はちじゅうはちのせいざをすべていちどにはみれぬように)

八十八の星座を全て 一度には見れぬように

(ぼくのなかにもいろんなぼくがさきっと)

僕の中にも色んな僕がさきっと

(それはそれでいいんだろう)

それはそれでいいんだろう

(またうたにしていきてやろうぜ)

また歌にして生きてやろうぜ

(はいはいそうだろぼくがぼくでいられないなら)

はいはい　そうだろ 僕が僕でいられないなら

(わらえないそらのした)

笑えない空の下

(がらすだまみたいなきょうをこわれないようにながめる)

ガラス玉みたいな今日を 壊れないように眺める

(つきこどくなうみのうえ)

月孤独な海の上

(いつのまにかぼくがぼくじゃないみたい)

いつの間にか 僕が僕じゃないみたい

(あのころのぼくらは)

あの頃の僕らは

(なんかもっとたのしそうにおもえていた)

なんかもっと 楽しそうに思えていた

(それはちがうぼくはいまもぼくだよ)

それは違う 僕は今も僕だよ

(よけいなことばっかさきにしてただけ)

余計なことばっかさ 気にしてただけ

(ほしのまたたきみたいなひかりをただ)

星の瞬きみたいな 光をただ

(ただおいかけるだけ)

ただ追いかけるだけ

(ふりむいたせなかになつをみる)

振り向いた背中に夏を見る

(それはもうかこのぼくなのになんてさ)

それはもう過去の僕なのに なんてさ

(ぼくらしくないやはてはないさ)

僕らしくないや 果てはないさ

(なんだっていいんだくりかえしのまいにちでも)

何だっていいんだ 繰り返しの毎日でも

(なにかのこせたならってそんなすべてを)

何か残せたならって そんな全てを

(わらってうたっていきていく)

笑って歌って生きていく