夢現つ

(これはふぃくしょん)

これはフィクション

(そう、だれともかんけいのないはなし)

そう、誰とも関係のない話

(とつぜんかれがきえてしまって)

突然彼が消えてしまって

(ひとびとはかなしんだ)

人々は悲しんだ

(これはふぃくしょん)

これはフィクション

(そう、だれもしらないようなはなし)

そう、誰も知らないような話

(どれだけかれをえがいたってきみはおとなになっていく)

どれだけ彼を描いたって君は大人になっていく

(また、なつがくる)

また、夏が来る

(きれいなものがすきだった)

綺麗な物が好きだった

(かーてんからさしこむまぶしさとか)

カーテンから差し込む眩しさとか

(かぜがふくとかそらがあおいとか)

風が吹くとか空が青いとか

(きみのおととか)

君の音とか

(ぼくのなかにあるやさしさもぜんぶきみにだけあげるから)

僕の中にある優しさも全部君にだけあげるから

(きみのなかにあるざいあくかんをうばいさってしまいたい)

君の中にある罪悪感を奪い去ってしまいたい

(いつかきえゆくせかいにきみはなにをうたうのだろうね)

いつか消えゆく世界に君は何を歌うのだろうね

(はたせなかったやくそく)

果たせなかった約束

(てばなせなかったこうかい)

手放せなかった後悔

(あのひのがいろ)

あの日の街路

(ねぇ、つよがりさえもほんとうにしてしまおうよ)

ねぇ、強がりさえも本当にしてしまおうよ

(さよならだけのこったまま)

さよならだけ残ったまま

(おもいでのすみにしまいこんでいた)

思い出の隅に仕舞い込んでいた

(とらわれたおもいがことばなんかであらわせてたまるもんか)

囚われた思いが言葉なんかで表せてたまるもんか

(どうでもよかった)

どうでもよかった

(このきもちよすべておとになれ)

この気持ちよ全て音になれ

(だいじょうぶだからさ、このまま)

大丈夫だからさ、このまま

(すこしだけどこかへにげようよ。)

少しだけどこかへ逃げようよ。

(かなしいうたがすくいだった)

悲しい歌が救いだった

(いきをのむほどのくるしいおもいで)

息を呑むほどの苦しい思いで

(なぜだかせかいが、そらがうつくしいって)

なぜだか世界が、空が美しいって

(しんじたかったんでしょう？)

信じたかったんでしょう？

(ねぇほしほどふたしかなものなどないからさ)

ねぇほしほど不確かなものなどないからさ

(いまさらくんをえがいたって)

今更君を描いたって

(さがせばさがすほどけずれおちた)

探せば探すほど削れ落ちた

(ぼくのもつことばで)

僕の持つ言葉で

(きみのすべてをあらわせるわけないんだ)

君の全てを表せるわけないんだ

(どうでもよかった)

どうでもよかった

(いっそもうこのまま)

いっそもうこのまま

(いっしょにくるしさからにげようよ)

一緒に苦しさから逃げようよ

(さよならだけのこうかいも)

さよならだけの後悔も

(なみだもすべてうしなっていくんだ)

涙も全て失っていくんだ

(うるさいな、あんなにきれいなひびをわすれてたまるもんか)

うるさいな、あんなに綺麗な日々を忘れてたまるもんか

(どうでもよかった)

どうでもよかった

(このきもちよすべておとになれ)

この気持ちよ全て音になれ

(わかりあえなくてもいい、このまま)

分かり会えなくてもいい、このまま