Inciana／多々星カイリ

(さきほこるはなはねたましいほどにきれいで)

咲き誇る花は 妬ましい程に綺麗で

(まぎれもなくじゆうだった)

紛れもなく自由だった

(みとれたくないとそっとめをそらしうつむく)

見惚れたくないと そっと目を逸らし俯く

(じぶんのかげがうとましくおもえたなつ)

自分の影が 疎ましく思えた夏

(みんなにあわせいきることは)

皆に合わせ生きることは

(まちがいじゃないはずなのに)

間違いじゃないはずなのに

(ぼくだけがわらえないでいる)

僕だけが 笑えないでいる

(だれかにしかれたれーるを)

誰かに敷かれたレールを

(たどってあるいているだけの)

辿って歩いているだけの

(このめにうつったせかいにいろはなくて)

この目に映った 世界に色は無くて

(はなひらく「いつか」をしんじてどこまですすめばいい)

花開く『いつか』を信じて どこまで進めばいい

(ふみだすそのあらたないっぽがだせずに)

踏み出すその 新たな一歩が出せずに

(ただめをとじるだけだ)

ただ目を閉じるだけだ

(ふかいみずのなかひかりもとどかないばしょで)

深い水の中 光も届かない場所で

(さけんでいるだれかがいて)

叫んでいる 誰かが居て

(きこえていたのにずっとめをそらしつづける)

聞こえていたのに ずっと目を逸らし続ける

(それがだれなのかもうきづいていたから)

それが誰なのか もう気づいていたから

(いまさらかえられやしないと)

今さら変えられやしないと

(うそにおおわれたこころがいまをすりへらして)

嘘に覆われた心が 現在を擦り減らして

(まためをとじた)

また目を閉じた

(はきだしたことばはよぞらにほうわして)

吐き出した言葉は 夜空に飽和して

(みなもにうつったつきにさえもみすかされるように)

水面に映った月にさえも 見透かされるように

(それでもまだこのこころにのこっているともしびが)

それでもまだ この心に残っている燈火が

(みちをてらすそのさきになにがあるのだろう)

道を照らす その先に何があるのだろう

(だれかにしかれたれーるを)

誰かに敷かれたレールを

(たどってあるいているだけの)

辿って歩いているだけの

(このめにうつったせかいにいろはなくて)

この目に映った 世界に色は無くて

(かわれるとしんじるこころのなかの)

変われると信じる 心の中の

(ぼくがさけんでいるんだよ)

僕が叫んでいるんだよ

(なんどつまずいてもいいから)

何度躓いてもいいから

(じぶんらしさにきづけたなら)

自分らしさに気づけたなら

(そのめにうつったせかいはいろどられて)

その目に映った 世界は彩られて

(じぶんがえらんだいきかたにこたえなんてないから)

自分が選んだ生き方に 答えなんてないから

(ふみだすそのいっぽのゆうきを)

踏み出すその 一歩の勇気を

(そのさきのけしきをみにいこうか)

その先の 景色を見に行こうか