遠く、遠く、遠く。初音ミク

(きっとこのせかいでずっとおぼえてるのは)

きっとこの世界で ずっと覚えてるのは

(ぼくをぼくたらしめるあのころのあなたで)

僕を僕たらしめる あの頃のあなたで

(わざわざさよならでくぎるほどじゃないから)

わざわざさよならで 区切るほどじゃ無いから

(いつのまにかぼくらはおもいでにかわっていた)

いつのまにか僕らは 思い出に変わっていた

(あたりまえのようにみんなつよくなっていく)

当たり前のように みんな強くなっていく

(しらないひととはなすこともうまくなってる)

知らない人と話すことも 上手くなってる

(そういえば、あなたはここにいない、あなたは)

そういえば、あなたは ここにいない、あなたは

(ぼくにはなしてくれたしあわせをおぼえてる？)

僕に話してくれた 幸せを覚えてる？

(なにげないだれかのふざけたこえが)

何気ない誰かのふざけた声が

(あなたをさらっていった)

あなたを攫っていった

(あたりまえにおかされていった)

当たり前に侵されていった

(なのにこのこえはおわらなかったから)

なのにこの声は終わらなかったから

(あなたがくれたことばだけが)

あなたがくれた言葉だけが

(いつまでもかわらないまんま)

いつまでも変わらないまんま

(たえまなくはんすうするんだ)

絶え間なく反芻するんだ

(なぜかずっとあたらしくなっていくんだ)

何故かずっと新しくなっていくんだ

(かなうなら、あなたをわすれてとおいばしょへ)

叶うなら、あなたを忘れて遠い場所へ

(なんておもいながら、うごけないことのうつくしさを)

なんて思いながら、動けない事の美しさを

(だれかがかく、んでまただれかがかく)

誰かが描く、んでまた誰かが書く

(そのすべてをぼくらほんとうにあいしてた)

その全てを僕ら本当に愛してた

(あといくつなにをおわらせたらあなたをしれるの)

あといくつ何を終わらせたら あなたを知れるの

(いまそのめにうつるせかいは)

今その目に映る世界は

(いつかぼくらがこばんだみらいだった)

いつか僕らが拒んだ未来だった

(しらじらしいかおでどうせおわるあいとかはぐくんで)

白々しい顔でどうせ終わる 愛とか育んで

(”あたりまえ”にちゅうりょくするんだろう)

"当たり前"に注力するんだろう

(ふみつぶしただきょうをごまかすように)

踏み潰した妥協を誤魔化すように

(「あのひとはむかしがよかった」)

「あの人は昔が良かった」

(あなたもいつかそういってた)

あなたもいつかそう言ってた

(ぼくはずっとひとついいたくて)

僕はずっとひとつ言いたくて

(たまらないのにわからなかった)

たまらないのにわからなかった

(あなたがいたころよりずっと)

あなたが居た頃よりずっと

(ふくざつでせんさいになったよ)

複雑で繊細になったよ

(きぼうだったげいじゅつがいつか)

希望だった芸術がいつか

(ぜつぼうにかわるのもしったよ)

絶望に変わるのも知ったよ

(なにげなくあなたがかたったゆめが)

何気なくあなたが語った夢が

(あなたをさらったまんま)

あなたを攫ったまんま

(あたりまえにほだされていった)

当たり前に絆されていった

(どこまでもきれいだなんておもった)

どこまでも綺麗だなんて思った

(あのいたみのいみのひとつひとつを、)

あの痛みの意味のひとつひとつを、

(おわらせたくはなかったから)

終わらせたくはなかったから

(かたちにしてのこしていたんだろう)

形にして残していたんだろう

(ぼくのかんじかたなんてひとつもしらずに)

僕の感じ方なんてひとつも知らずに

(ばかげたゆめをかたるあなたはかがやいてた)

馬鹿げた夢を語るあなたは輝いてた

(ほつれうねったかみをたばねてひとつずつ)

ほつれうねった髪を束ねてひとつずつ

(だれにもいえないそのよどみにごったはなしを)

誰にも言えないその澱み濁った話を

(またいつかきかせてねぼくはかわらないから。)

またいつか聞かせてね僕は変わらないから。