レイド

(もうなにもさわんな)

もう何も触んな

(はいてすててきりのない)

掃いて捨てて キリのない

(とっちらかったきれいこと)

取っ散らかった綺麗事

(おしつけられるねこいかのてが)

押しつけられる猫以下の手が

(じゃまになってしかたない)

邪魔になって仕方ない

(じぶんとたにんのきょうかいせんをかんたんにふんで)

自分と他人の境界線を簡単に踏んで

(またぐような)

跨ぐような

(れいぎもえんりょもなにもないばかに)

礼儀も遠慮も何もない馬鹿に

(なにひとつのぞんでない)

何ひとつ望んでない

(いちいちかまうな)

いちいち構うな

(とくだのぜんだの)

徳だの善だの

(よそですきにつんでろ)

余所で好きに積んでろ

(どうせ)

どうせ

(なんだかんだどうしようもない)

何だかんだどうしようもない

(げんじつをかたったって)

現実を語ったって

(つごうよいだけでこころにもないきやすめを)

都合良いだけで心にもない気休めを

(ぬりたくって)

塗りたくって

(とうていありもしないいつかを)

到底ありもしない”いつか”を

(ただしんじ)

ただ信じ

(つづけるだけのちゃばんにのまれておわる)

続けるだけの茶番に呑まれて終わる

(しぬほどくだらない)

死ぬほどくだらない

(もうどれもこれも)

もう どれもこれも

(たいしてかわりはえしないうそ)

大して変わり映えしない嘘

(いみもかちも)

意味も価値も

(どっかのだれかへのたてまえ)

どっかの誰かへの建前

(つんでくずれてきりがないきこえる)

積んで崩れてキリがない聞こえる

(やじにしたをうつ)

野次に舌を打つ

(えんえんやまないふこうかたりが)

延々止まない不幸語りが

(みみにめにさわってしかたない)

耳に 目に 障って仕方ない

(かってにきめんな)

勝手に決めんな

(かくれたほんしんなんて)

『隠れた本心』なんて

(ねごとはねていえよ)

寝言は寝て言えよ

(どうせ)

どうせ

(なにもかんもどうしようもないせいろんで)

何もかんもどうしようもない正論で

(なぐったって)

殴ったって

(きもちいいだけのひとりよがり)

気持ちいいだけの独りよがり

(あほらしくからまわりって)

阿呆らしく空回って

(いっしょうたりないこうていされたいに)

一生足りない「肯定されたい」に

(ふりまわされるちゃばんにおわれてしずむ)

振り回される茶番に追われて沈む

(しんだってすくえない)

死んだって救えない

(きやすくさわんなもういいたくさんだ)

「気安く触んなもういい、沢山だ」

(きいてないたのんでない)

聞いてない 頼んでない

(うすっぺらいやきましのことばで)

薄っぺらい焼き増しの言葉で

(なにがたいせつだとか)

何が大切だとか

(あいがどうだとか)

愛がどうだとか

(よそでかたれよ)

余所で語れよ

(ああもうどうしようもない)

嗚呼もうどうしようもない

(しょうもないげんじつかたられたって)

しょうもない現実 語られたって

(つごうよいだけでこころにもない)

都合良いだけで心にもない

(きやすめをぬりたくって)

気休めを塗りたくって

(とうていありもしないいつかを)

到底ありもしない”いつか”を

(ただしんじ)

ただ信じ

(つづけるだけのちゃばんにのまれておわる)

続けるだけの茶番に呑まれて終わる

(もうだれもさわんな)

もう誰も触んな