幽霊船戦

(わたしのものそうわたしのものせんのおうごんすうひゃくねんのざいほうこのふねにねむる)

私のものそう私のもの千の黄金数百年の財宝この船に眠る

(ふるびたでんせつはのろわれたゆうれいせんにつづくよるのしおじ)

古びた伝説は呪われた幽霊船に続く夜の潮路

(そこにとみがのこるかいぞくのゆめがあるのならいただくしかないでしょ？)

そこに富が遺る海賊の夢があるのならいただくしか無いでしょ？

(「むぼうなあかよわかきぬすびとよ」「いのちをもってこうかいにかえさせてやろう」)

「無謀な赤よ若き盗人よ」「命を持って後悔に代えさせてやろう」

(やまないあめのだんがんで)

止まない雨の弾丸で

(（かけるこどうまだこのあしはしれるはず）)

（かける鼓動まだこの脚走れるはず）

(うつくしいほどこのひとみこがすせいめいのほのおがーねっとのしきさい)

美しいほどこの瞳焦がす生命の炎ガーネットの色彩

(おおうこのほうせきなら（がーねっとのしきさいあなたにはない）)

覆うこの宝石なら（ガーネットの色彩貴方にはない）

(わたしのものそうわたしのものうばってみろいのちのあかしをあなたのもとめるすべてを)

私のものそう私のもの奪ってみろ命の証を貴方の求めるすべてを

(かがやきはくすんでさびついてそれでもどろふねにしがみつくならほうまつとともにしずめ)

輝きはくすんで錆びついてそれでも泥舟にしがみつくなら泡沫と共に沈め

(くろいほにかくれるごくじょうのかいぞくのひほうつかんでわらう)

黒い帆に隠れる極上の海賊の秘宝掴んで笑う

(まんげつのきんぎんしゅぎょくななつのうみのほうぎょくに「あつまるむしども」)

満月の金銀珠玉七つの海の宝玉に「集まる虫ども」

(こぞりとみをねらうおろかものにおもいしらずふさわしいもちぬしを)

こぞり富を狙う愚か者に想い知らず相応しい持ち主を

(ふねにやどるくろりたましいのむれかげのそこでしのびよるぜつぼうのふちまるでふたのとじだはこ)

船に宿るクロリ魂の群れ影のそこで忍び寄る絶望の渕まるで蓋の閉じだ箱

(（ひかりがきえちゃえばだれもおまえをわすれさるだけ）てばなしちゃえばあきらめちゃえば)

（光が消えちゃえば誰もお前を忘れ去るだけ）手放しちゃえば諦めちゃえば

(あくむのなかからにげられるのにまだつかんでるよくぼうがおもいから)

悪夢の中から逃げられるのにまだ掴んでる欲望が想いから

(（（にげられるのにまだおってなげく？）)

（（逃げられるのにまだ負って嘆く？）

(「わたしのものそうわたしのもの」じぶんじしんをしんじこませてしばって)

「わたしのものそうわたしのもの」自分自身を信じ込ませて縛って

(のろいのでぐちえいきゅうのよるのかいいきめをさましてあなたのあくむからつれだすふねをしゅっこうして)

呪の出口永久の夜の海域目を覚まして貴方の悪夢から連れ出す船を出航して

(わたしのものまだわたしのものじゅんべにのばらはてたとしてもかれないたましいまでは)

私のものまだ私のもの純紅のバラ果てたとしても枯れない魂までは

(まんのれいじゅえいえんのびぼう)

万の霊珠永遠の美貌

(てばなすけついはついたかいさあいこうよあけにへびをむけて)

手放す決意はついたかいさあ行こう夜明けに蛇を向けて

(ひくをやどしたふねきぼうだけのこしてわたくほかにはもういらないから)

日くを宿した船希望だけ残して航く他にはもういらないから