HERO

(たとえばだれかひとりのいのちと)

例えば誰か一人の命と

(ひきかえにせかいをすくえるとして)

引き換えに世界を救えるとして

(ぼくはだれかがなのりでるのをまっているだけのおとこだ)

僕は誰かが名乗り出るのを待っているだけの男だ

(あいすべきたくさんのひとたちが)

愛すべきたくさんの人たちが

(ぼくをおくびょうものにかえてしまったんだ)

僕を臆病者に変えてしまったんだ

(ちいさいころにみぶりてぶりを)

小さい頃に身振り手振りを

(まねてみせた)

真似てみせた

(あこがれになろうだなんて)

憧れになろうだなんて

(だいそれたきもちはない)

大それた気持ちはない

(でもひーろーになりたい)

でもヒーローになりたい

(ただひとりきみにとっての)

ただ一人　君にとっての

(つまずいたりころんだりするようなら)

つまずいたり　転んだりするようなら

(そっとてをさしのべるよ)

そっと手を差し伸べるよ

(だめなえいがをもりあげるために)

駄目な映画を盛り上げるために

(かんたんにいのちがすてられていく)

簡単に命が捨てられていく

(ちがうぼくらがみていたいのは)

違う　僕らが見ていたいのは

(きぼうにみちたひかりだ)

希望に満ちた光だ

(ぼくのてをにぎるすこしちいさなて)

僕の手を握る少し小さな手

(すっとむねのよどみをとかしていくんだ)

すっと胸の淀みを溶かしていくんだ

(じんせいをふるこーすでふかくあじわうための)

人生をフルコースで深く味わうための

(いくつものすぱいすがだれもによういされていて)

幾つものスパイスが誰もに用意されていて

(ときにはにがかったり)

時には苦かったり

(しぶくおもうこともあるだろう)

渋く思うこともあるだろう

(そしてさいごのでざーとをわらってたべる)

そして最後のデザートを笑って食べる

(きみのそばにぼくはいたい)

君の側に僕は居たい

(ざんこくにすぎるじかんのなかで)

残酷に過ぎる時間の中で

(きっとじゅうぶんにぼくもおとなになったんだ)

きっと十分に僕も大人になったんだ

(かなしくはないせつなさもない)

悲しくはない　切なさもない

(ただこうしてくりかえされてきたことが)

ただこうして繰り返されてきたことが

(そうこうしてくりかえしていくことが)

そうこうして繰り返していくことが

(うれしいいとしい)

嬉しい　愛しい

(ずっとひーろーでありたい)

ずっとヒーローでありたい

(ただひとりきみにとっての)

ただ一人　君にとっての

(ちっともなぞめいてないし)

ちっとも謎めいてないし

(いまさらもうひみつはない)

今更もう秘密はない

(でもひーろーになりたい)

でもヒーローになりたい

(ただひとりきみにとっての)

ただ一人　君にとっての

(つまずいたりころんだりするようなら)

つまずいたり　転んだりするようなら

(そっとてをさしのべるよ)

そっと手を差し伸べるよ