オブソミート

(とあるいっぴんをさかいにとつじょ)

とある一品を境に突如、

(かつがれかただけみつぼし)

担がれ方だけ、三ツ星。

(そんでぶんふそうおうなてんぽをかまえて)

そんで分不相応な店舗を構えて

(かってがわからずげきちん)

勝手が分からず、撃沈。

(しょうみれいぎさほうやてーぶるまなーとか)

正味、礼儀作法や、テーブルマナーとか、

(なんのこっちゃでして)

なんのこっちゃでして。

(くわえてかってなすいちでけいせいされていく)

加えて、勝手な推知で、形成されていく、

(ぱぶりっくいめーじ)

パブリック・イメージ。

(ああただただわだいせいだけが)

嗚呼！ただただ、話題性だけが

(せんこうしていてろくにそしゃくせずえんげか)

先行していて碌に咀嚼せず嚥下か。

(じつはみかけのばえだけいしきしていれば)

実は、見かけの映えだけ意識していれば、

(あじはどうだっていいらしい)

味はどうだっていいらしい。

(ひっしこきこしらえためにゅーも)

必死こき、拵えたメニューも、

(つたわらなけりゃむいみとどうぎ)

伝わらなけりゃ、無意味と同義？

(とかくちょうしょうまみれのれびゅーさいとでは)

兎角、嘲笑塗れのレビューサイトでは

(りゅうげんひごってやんなっちゃう)

流言飛語(りゅうげんひご)って、やんなっちゃう！

(ぞくぞくとあらわるしんふーど)

続々と現る新フード

(ぜんりょうをたべてちゃおいつけない)

全量を食べてちゃ追いつけない；；

(いっぺんたべたらあとはもうてきとうにあそんでしまえ)

一片食べたら、後はもう、適当に遊んでしまえ。

(ふさがったこえはかげもなく)

塞がった声は影も無く、

(ただこっちのかせになりえるの)

ただ、給仕(こっち)の枷になり得るの。

(なみなみならぬおもいとかそれはごみもどうぜん)

並々ならぬ思いとか、それは、塵(ごみ)も同然。

(へんしょくけいこうのかみさまにまたおなじあじをささぐどれい)

偏食傾向の神様に、また同じ味を捧ぐ奴隷。

(あなたにまんぞくしてもらえたならわたしのきもちはどうでもいいですわ)

「あなたに満足してもらえたなら私の気持ちはどうでもいいですわ！」

(あらたなしょくじがでるたびどこからかわいてくる)

新たな食事が出る度、何処からか湧いてくる、

(のすたるじーなんかまいとしいつもおなじむーぶだね)

ノスタルジーなんか毎年いつも同じムーブだね

(それこそおなかがいっぱい)

それこそ、お腹がいっぱい。

(もうしゅかんときゃっかんが)

もう、主観と、客観が、

(ごっちゃになっている)

ごっちゃになっている

(かすのさらだぼうる)

カスのサラダボウル？

(はたまたしんじつにはんするかくしょうばいあすか)

はたまた、真実に反する確証バイアスか？

(じゃあたとえばすうねんごには)

じゃあ、例えば。数年後には

(きゃっこうのしゅやくがとってかわられているとして)

脚光の主役が取って代わられているとして、

(そのときあなたはそれでも)

その時、あなたはそれでも

(わたしのとなりにいつづけてはくれるのかな)

私の隣に居続けてはくれるのかな。

(はやりすたりのえんちょうせんにくさりおつわたしたちがあって)

流行り廃りの延長線に、腐り落つ私達が有って。

(しょうみきげんもすぎずに)

賞味期限も過ぎずに、

(とっととはいきで)

とっとと廃棄で、

(つぎのおーだーってだいぜんていな)

「次の注文(オーダー)」って…大前提な、

(こうぜんのひみつ、ききとして)

公然の秘密、嬉々として

(のたまってなんばんせんじ)

宣って、何番煎じ？

(こうなったいじょうもうぜひもない)

こうなった以上、もう是非もない。

(さめきっているざんぱんをめしあがれ)

冷めきっている残飯を召し上がれ。

(こうぞくねらったこうみょうしん)

後続狙った功名心

(よくばりすぎたってからまわり)

欲張り過ぎたって空回り？

(かわらずだいてるきょうじだけすてないように)

変わらず抱いてる矜持だけ、捨てないように。

(ほうわしてしまったきょうきゅうで)

飽和してしまった供給で、

(そのさいくるすらもはやくなる)

そのサイクルすらも速くなる。

(げばひょうなんてきにせずにすきかってやろうぜ)

下馬評なんて気にせずに、好き勝手やろうぜ。

(いみてーしょんばっかたべていりゃ)

模造品(イミテーション)ばっか食べていりゃ、

(そらおなじあじにあきはこよう)

そら、同じ味に飽きは来よう。

(じきにここいらもおしゃかになるから)

直に此処いらもお釈迦になるから、

(おすきなかげんでくいちらしたのち)

お好きな加減で、食い散らした後、

(おててをあわせて)

お手々を合わせて、

(ごちそうさまでした)

ご馳走様でした。