aurora

(まだおさないよわむし)

まだ幼い弱虫

(あたしはひなどり)

あたしは雛鳥

(まっくろくろけで)

真っ黒黒けで

(すすけてる)

煤けてる

(あおぎたみたずじょうの)

仰ぎたみた頭上の

(そらはみにくく)

空はみにくく

(ずっとひろがっていた)

ずっと　広がっていた

(にえたおなべのうえ)

煮えたお鍋の上

(あかげのねこはしる)

赤毛の猫走る

(おいかけっこしてはしかられた)

追いかけっこしては しかられた

(かーてんたなびいて)

カーテンたなびいて

(かくれんぼした)

隠れんぼした

(わらいごえはとおく)

笑い声は遠く

(ゆれるおーろら)

揺れるオーロラ

(はるかむこうがわあなたのひとみは)

遥か向こう側 あなたの瞳は

(きらきらかがやいてみえた)

キラキラ 輝いてみえた

(せかいはとおくつかめない)

世界は 遠く掴めない

(かみさまはいいました)

神さまは言いました

(そらをみたくないか)

空を見たくないか

(たかくとべるようにしてやると)

高く飛べるようにしてやると

(せかいのかたすみまで)

世界の片隅まで

(のぞんだけしき)

望んだ景色

(かみさまのいうとおり)

神さまの言うとおり

(すてきなちからで)

素敵な力で

(あたしがこんどこそ)

あたしが今度こそ

(あなたしあわせにしてあげる)

あなた幸せにしてあげる

(もうだれにもせめたり)

もう誰にも責めたり

(じゃまできないように)

邪魔出来ないように

(なにもかもをこわすの)

何もかもを壊すの

(せかいすべてを)

世界すべてを

(「どうして」)

「どうして」

(ふいにおーろら)

ふいに オーロラ

(きえてさびついた)

消えて錆び付いた

(やまないあめふり)

止まない雨降り

(あたしこんなにつよくなったのに)

あたし こんなに強くなったのに

(わらってほしいのに)

笑ってほしいのに

(おなじみっつのめでも)

同じ三つの目でも

(あたしはなにもみえない)

あたしは何も見えない

(ごめんなさいあたし)

ごめんなさい あたし

(すすけたはね)

煤けた羽

(いまもよわいまま)

今も弱いまま

(あたしまだよわむし)

あたし まだ弱虫

(みにくいそらのした)

みにくい空の下

(まっくろくろけのきずだらけ)

真っ黒黒けの 傷だらけ

(まいにちなにかおもいいきてたような)

毎日何か思い生きてたよ うな

(もうおもいだせない)

もう思い出せない

(わからないまま)

わからないまま

(やがておーろらあわく)

やがて オーロラ 淡く

(とけていくすべてけしさって)

溶けていく すべて 消し去って

(あのひのきおくなんぽあるいても)

あの日の記憶 何歩歩いても

(わすれたりしないわ)

忘れたりしないわ

(さぶたれいにあんろーず)

サブタレイニアンローズ

(かみさまさえもとどかない)

神様さえも 届かない

(あたしがここのたいようになるわ)

あたしがここの太陽になるわ

(にじもかけていく)

虹も架けて行く

(そらはここにある)

空はここにある