ブッキッシュタウンヒッピー

(あさぎりとざす)

朝霧閉ざす

(おうらいあおざめたそら)

往来　青ざめた空

(かみさまよりはやくおきた)

神様より早く起きた

(おぼろにねむる)

朧に眠る

(のろくさけだるいまちに)

鈍臭気だるい街に

(のいずまじりはれのよほう)

ノイズ混じりハレの予報

(ものういもんぴ)

物憂い門扉

(かすむもののねはとおく)

幽む物の音は遠く

(しみくいのちずをかたてに)

紙魚喰いの地図を片手に

(あしたのぺーじにしおりをはさもうか)

明日のページに栞を挟もうか

(どうだい)

どうだい

(しゅびはいいのかい)

首尾はいいのかい？

(どうにもまとわりさいなむ)

どうにも纏わり苛む

(からまりからげたへいそくかん)

絡まり絡げた閉塞感

(けいはく)

軽薄

(しらけて)

白けて

(そしらぬかおしてついてくる)

素知らぬ顔してついてくる

(どうしてひとごとよろしく)

どうして他人事宜しく

(そんなにせせらわらってんの)

そんなにせせら笑ってんの？

(たかみでみたいと)

高みで見たいと

(ひたすらほんをつむ)

ひたすら本を積む

(でいりーでいりーとらっしー)

デイリー　デイリー　トラッシー

(もくじどおりのまいにち)

目次通りの毎日

(ぺーじをめくるたび)

ページを捲るたび

(いろをなくして)

色を無くして

(がらくたのような)

我楽多のような

(おしきせのあいを)

お仕着せの愛を

(いつまでばかみたいに)

いつまで馬鹿みたいに

(うたってんの)

歌ってんの？

(ゆうづつしたたる)

夕星滴る

(よいはまちにしみて)

宵は街に沁みて

(かみさまはしとねについた)

神様は褥に就いた

(かたみみおれた)

片耳折れた

(かぼそいいぬはさびしら)

か細い犬は寂びしら

(さんざっぱらみたふうけい)

さんざっぱら見た風景

(どうけうちはやす)

道化打ち囃す

(なかみせをよこめに)

仲見世を横目に

(ひとたりふたたりおいこし)

一人、二人追い越し

(みるものすべてに)

見るもの凡てに

(ふせんをつけるのだ)

付箋をつけるのだ

(どうだい)

どうだい

(じゅんびはいいかい)

準備はいいかい？

(どうにもまとわりさいなむ)

どうにも纏わり苛む

(からまりからげたしょうそうかん)

絡まり絡げた焦燥感

(けいはく)

軽薄

(しらけて)

白けて

(そしらぬかおしてついてくる)

素知らぬ顔してついてくる

(どうしてひとごとよろしく)

どうして他人事宜しく

(そんなにせせらわらってんの)

そんなにせせら笑ってんの？

(てぜまなたなにさ)

手狭な棚にさ

(いくつもおしやって)

幾つも押しやって

(たいにーたいにーはっぴー)

タイニー　タイニー　ハッピー

(さいしょからないもの)

最初から無いもの

(なくしたなんて)

失くしたなんて

(でたらめをいって)

出鱈目を言って

(かりもののような)

借り物のような

(さかしらなあいを)

賢しらな愛を

(いつまでばかみたいにうたってんの)

いつまで馬鹿みたいに歌ってんの？

(いよいよぼくのほんをすてるときだよ)

いよいよ僕の本を捨てる時だよ

(そこからぬけだして)

そこから抜け出して

(まちのくうはくに)

街の空白に

(あなたのことばをうめて)

あなたの言葉を埋めて

(かつじをたどって)

活字を辿って

(おんせつをこえて)

音節を超えて

(いんりつにのって)

韻律に乗って

(どこでもいこうか)

どこでも行こうか

(さんぶんふりしきる)

散文降りしきる

(げんがくのまち)

衒学の街

(ほんとうのぺーじをひらこうか)

本当のページを開こうか

(でいりーでいりーとらっしー)

デイリー　デイリー　トラッシー

(もくじどおりのまいにち)

目次通りの毎日

(ぺーじをめくるたび)

ページを捲るたび

(いろをなくして)

色を無くして

(がらくたのような)

我楽多のような

(おしきせのあいを)

お仕着せの愛を

(いつまでばかみたいにうたってんの)

いつまで馬鹿みたいに歌ってんの？

(たいにーたいにーはっぴー)

タイニー　タイニー　ハッピー

(あてのないゆめを)

あてのない夢を

(とらんくひとつ)

トランク一つ

(あわれぎんゆうし)

哀れ吟遊子

(たびだつにもつは)

旅立つ荷物は

(すこしでいいのさ)

少しでいいのさ

(おもになかんじょう)

重荷な感情

(やぶりさって)

破りさって