青ノ調

(かれないで)

嗄かれないで

(きえゆくいのちはあおあらし)

消えゆく命は 青嵐

(わたしほっといてけんもほろろ)

私 放つといて けんもほろろ

(ぼんやりともしてしろもんてん)

惘 燈して白紋天

(どうかねんねんころり)

どうか ねんねんころり

(おころりころりよ)

おころり ころりよ

(よみのほころびむすんでひらいて)

黄泉の綻び 結んで開いて

(しがんけむるきみのかげとうとうと)

此岸 煙る 君の影 滔々と

(かおるきおくただとおく)

香る記憶 只遠く

(すべてはもどることのないなつのまぼろし)

全ては戻る事のない夏の幻

(ああゆうだちははるかかなたに)

嗚呼　夕立は遥か彼方に

(ゆらいだきみのめにあめ)

揺らいだ君の瞳に雨

(ゆうかいへつづくそのみち)

幽界へ続くその途

(あいあいのかさをさせたら)

相合の傘を差せたら

(すききらいすききらい)

好き 嫌い 好き 嫌い

(くうぜんのこいにばいばいばいばい)

空前の恋に 焙焙焙焙

(すききらいすききらい)

好き 嫌い 好き 嫌い

(らいかもここでまっているわ)

来夏も此処で待つているわ

(ぜつごのあいがおくりびよ)

絶後の愛が 送火よ

(おもいだすなつのみゃく)

思い出す夏の脈

(いまもいまだわすれじたましい)

今も未だ忘れじ魂

(みみすますゆかりふたつわらうこえ)

耳澄マス 縁フタツ 笑ウ声

(さいえいいきとめるこころひとつおわりはべつ)

再映　息止メル 心ヒトツ 終ワリハ別

(かいせいめをつぶるのうりうかぶかすむきみ)

回生　目ヲ瞑ル 脳裏浮カブ 涼ム君

(なんていまさらばかばかしく)

なんて　今更 莫迦莫迦しく

(つきまとうおもかげはかげろう)

付き纏う面影は陽炎

(わたしばかされてどうかいめまい)

私 化かされて 堂廻目眩

(ごはさんかなわずまちぼうけ)

御破算 叶わず 待ち惚け

(それでもいいのいいの)

それでもいいの いいの

(はくちゅうむちゅううにもどるのなら)

白昼夢 中有に戻るのなら

(よみのほころびむすんでひらいて)

黄泉の綻び 結んで開いて

(しがんかすむきみのねつこくこくと)

此岸 霞む 君の熱 刻々と

(それはあおくただあおく)

それは青く 只青く

(かれないしらべこがれゆくなつのまぼろし)

嗄れない調 焦がれゆく夏の幻

(ああふりやんだあめにかわたれ)

嗚呼　降り止んだ雨に彼誰

(つぐひぐらししぐれ)

継ぐ蜩時雨

(ゆらいだきみのせによる)

揺らいだ君の背に夜

(おわかれしなきゃ)

お別れしなきゃ

(いかないでわたしもつれて)

行かないで 私も連れて

(つないだこのてをひいて)

繋いだこの手を引いて

(ゆうかいへつづくそのみち)

幽界へ続くその途

(よりそってわらいあえたら)

寄り添つて 笑い合えたら

(すききらいすききらい)

好き 嫌い 好き 嫌い

(くうぜんのこいによいよいよいよい)

空前の恋に 酔酔酔酔

(すききらいすききらい)

好き 嫌い 好き 嫌い

(らいかもらいせもそのさきも)

来夏も来世もその先も

(ぜつごのあいはえいえんよ)

絶後の愛は 永遠よ