サイハテハーバリウム

(のぞいたとびらに)

覗いた　扉に

(だれかのかげたつ)

誰かの影立つ

(ともしびけしかけたのだれ？)

燭 消しかけたの 誰？

(すがたまでわからず)

姿まで　わからず

(はるのこちょうにさえ)

春の胡蝶にさえ

(しかけたつもりの)

仕掛けたつもりの

(あますぎたわなが)

甘すぎた罠が

(こくじしぐうぜん)

酷似し　偶然

(こおりなつよりもえでて)

氷夏より　萌え出て

(おもいこんだたいようにはかてない)

思い込んだ　太陽には勝てない

(ねじのゆるやかるみきったやつらに)

螺子の緩るみきった奴らに

(こつづみ１どめ)

(小鼓1度目)

(しこうかいろのめいろのなかには)

思考回路の迷路の中には

(もうもどれない)

もう戻れない

(２どめだって)

(2度目だって)

(もうかえれない)

もう帰れない

(３どめも)

(3度目も)

(さきのみらいへ)

先の未来へ

(はーばりうむぽーたる)

ハーバリウムポータル

(はなはさきみだれ)

花は咲き乱れ

(いつかはかれそして)

いつかは枯れ　そして

(あしたもしはいになっても)

明日　もし灰になっても

(ふへんをねがうの？)

不変を願うの？

(いまのままずっと)

今のままずっと

(さいどのしきはまたおなじしきをながす)

再度の史記はまた同じ四季を流す

(とざしたびんには)

閉ざした　瓶には

(かれずにさくはな)

枯れずに咲く花

(えいえんしんじたのはだれ？)

永遠　信じたのは　誰？

(ただすぎていくあきのはやさ)

ただ過ぎて行く　秋の早さ

(おいこした)

追い越した

(まどにくもたなびく)

窓に　雲棚引く

(みつけた)

見つけた

(たからはほしくずまつり)

(宝は)　星屑祀り

(ふゆより)

(冬より)

(ふるいむすびめほころびうばえば)

旧い結び目 綻び奪えば

(たとえくさびのとけないとびらでも)

例え楔の解けない扉でも

(わたしがふれたなら)

私が触れたなら

(あしたにとどかないひかりと)

明日に　届かない光と

(びんのなかのはな)

瓶の中の花

(かれずにいきする)

枯れずに息する

(ふへんをみるようにはなりたくはないから)

普遍を視るようにはなりたくはないから

(まわらないほし)

廻らない星

(だれもしらない)

誰も知らない

(もくしきんじ)

目視禁じ

(かたりべはけされるしゅくめいを)

語り部は消される宿命を

(だれかがいったじょうしきをやぶって)

誰かが云った常識を破って

(さらしてしまったっていいの)

曝してしまったっていいの

(ああきづいてほしいの)

嗚呼 気付いて欲しいの

(わたしを・・・)

｢ワタシヲ…｣

(あしたもあわくのばすしゅんかんに)

明日も　淡く伸ばす　瞬間に

(ああめふきだしたよ)

嗚呼　芽吹き出したよ

(それぞれのみちを)

それぞれの路を

(まばゆいほどとおくちかくに)

眩い程　遠く近くに

(あゆんでた)

歩んでた

(だれもいないこんなくらやみから)

誰もいない　こんな暗闇から

(あなたをまってたわ)

貴方を待ってたわ

(とびらをたたくゆうしゃたち)

扉を叩く勇者たち

(しきをしたはずもないのにさとどくては)

指揮をしたはずもないのにさ　届く手は

(ひらけたてには)

拓けた手には

(のぞいたとびらがからっぽだとしても)

覗いた　扉が　空っぽだとしても

(あなたはふりむかないから)

貴方は　振り向かないから