春を待つ人

(はなさくきせつにまたねとてをふる)

花咲く季節に　またねと手を振る

(なみだはみせないようさくらのきをみあげたんだ)

涙は見せないよう　桜の樹を見上げたんだ

(かぜなぐしゅんかんおもいでにかわる)

風凪ぐ瞬間　想い出に変わる

(いつまでものこりがのようになびいてやまなかった)

いつまでも残り香のように靡いてやまなかった

(こころのおくそこにあるだれにもふれられないばしょ)

心の奥底にある　誰にも触れられない場所

(きみのやさしいてはそっともぐりこみ)

君の優しい手は　そっと潜り込み

(いたみをすこしあいせた)

痛みを少し愛せた

(ひらりひらり)

ひらり　ひらり

(まいちるほどのうつくしさよ)

舞い散るほどの美しさよ

(さよならをいまだけわすれさせて)

さよならを今だけ忘れさせて

(つたえたかったことばたちは)

伝えたかった言葉たちは

(やがてまためぐりくるだろうか)

やがてまた巡りくるだろうか

(いつかきえてしまうとしっても)

いつか消えてしまうと知っても

(もとめずにはいられない)

求めずには居られない

(つぼみはいつのまにかほころび)

蕾はいつのまにかほころび

(あたらしくうまれかわるような)

新しく生まれ変わるような

(はるをはるをまってた)

春を　春を待ってた

(やくそくしようよあんしんしたくて)

約束しようよ　安心したくて

(むりやりゆびきりしたそれはまるでまぼろしのよう)

無理やり指切りした　それはまるで幻のよう

(あかいかじつがみのっておもいはうつろいゆけど)

赤い果実が実って　想いは移ろいゆけど

(かわらないものをねがってやまない)

変わらないものを　願ってやまない

(かたちあるものはいつか)

形あるものはいつか

(ひらりひらり)

ひらり　ひらり

(まいちるようなゆめをみてた)

舞い散るような夢を見てた

(てをのばすほどにすりぬけてゆく)

手を伸ばすほどにすり抜けてゆく

(あわいはなびらにいろどられ)

淡い花びらに彩られ

(そのえがおがむねにやきついた)

その笑顔が胸に焼きついた

(みなもにうかんだはなことばは)

水面に浮かんだ花言葉は

(うつくしいこころうつす)

美しい心　映す

(もののあはれをいつくしんでは)

もののあはれを慈しんでは

(とどかないものにおもいはせる)

届かないものに想い馳せる

(こえをこえをきかせて)

声を　声を聴かせて

(ゆうひにそまったあのやまをあおいだ)

夕日に染まった　あの山を仰いだ

(おさないきおくによりそうかげふたつゆらめいた)

幼い記憶に　寄り添う影二つ　揺らめいた

(かわらないものはここに)

変わらないものは此処に

(ひらりひらり)

ひらり　ひらり

(まいちるほどのうつくしさよ)

舞い散るほどの美しさよ

(さよならをいまだけわすれさせて)

さよならを今だけ忘れさせて

(つたえたかったことばたちは)

伝えたかった言葉たちは

(やがてまためぐりくるだろうか)

やがてまた巡りくるだろうか

(いつかきえてしまうとしっても)

いつか消えてしまうと知っても

(もとめずにはいられない)

求めずには居られない

(つぼみはいつのまにかほころび)

蕾はいつのまにかほころび

(あたらしくうまれかわるような)

新しく生まれ変わるような

(はるをはるをまってた)

春を　春を待ってた