Orbital Period／星街すいせい

(ねぇ、ほんとうはいまもまだ、ふるえているんだよ。)

ねぇ、本当は今もまだ、震えているんだよ。

(どんなにおおきなはくしゅもきこえないくらい。)

どんなに大きな拍手も聞こえない位。

(あせばんだて、にぎりしめ、いきをすいこんだら)

汗ばんだ手、握りしめ、息を吸い込んだら

(いまは、このけしきをただ、しんじることにした。)

今は、この景色を只、信じることにした。

(ねぇ、めをとじて。)

ねぇ、目を閉じて。

(このしゅんかんをこころにきざもう。)

この瞬間を心に刻もう。

(そしてぼくのうたと、きみのこえで)

そして僕の歌と、君の声で

(このよるのおわりをかざるよ。)

この夜の終わりを飾るよ。

(ほしのよる。まちにひびいたうたが)

星の夜。街に響いた歌が

(きみのこえといま、まざりあうなら)

君の声と今、混ざり合うなら

(どうかこえよ、どうかこえよかれないで。)

どうか声よ、どうか声よ枯れないで。

(あとすこしだけでいいんだ！)

あと少しだけでいいんだ！

(あとすこしでとどくんだ。)

あと少しで届くんだ。

(ねぇ、いつかここでほしをみあげよう。)

ねぇ、いつかここで星を見上げよう。

(きょうのことをわらおう。)

今日の事を笑おう。

(そしてきみのこえで、きみのはくしゅで、)

そして君の声で、君の拍手で、

(このよるのつづきをきかせてくれ。)

この夜の続きを聞かせてくれ。

(とぎれなくひびくこえを！)

途切れ無く響く声を！

(すいせいがながれて)

彗星が流れて

(いくのがみえたら、)

行くのが見えたら、

(このけしきをおもいだして。)

この景色を思い出して。

(それはきみのこえで、きみのはくしゅで、)

それは君の声で、君の拍手で、

(かざられたうつくしいきのう！)

飾られた美しい昨日！

(ほしのよる。まちにひびいたうたが)

星の夜。街に響いた歌が

(きみのこえといま、まざりあうのなら)

君の声と今、混ざり合うのなら

(どうかこえよ、どうかこえよかれないで)

どうか声よ、どうか声よ枯れないで

(あとすこしだけでいい！)

あと少しだけでいい！

(ほしのよる。あけにむかうそらに)

星の夜。明けに向かう空に

(てをふることさえためらってしまっても、)

手を振ることさえ躊躇ってしまっても、

(どうかあなたよ、どうかあなたよ、なかないで)

どうかあなたよ、どうかあなたよ、泣かないで

(またあしたをうたうから。)

また明日を歌うから。

(またあしたとうたうから。)

また明日と詠うから。

(ねぇ、ほんとうはいまもまだ、ふるえているんだよ。)

ねぇ、本当は今もまだ、震えているんだよ。

(きょうがおわっていくふうけいもにじんでいく。)

今日が終わっていく風景も滲んでいく。

(あせばんだて、にぎりしめいきをはきだして。)

汗ばんだ手、握りしめ息を吐きだして。

(ああ、ぼくは、このけしきをただ、)

嗚呼、僕は、この景色を只、

(しんじてよかった。)

信じて良かった。