渡良瀬橋　/ 森高千里

(わたらせばしでみるゆうひをあなたはとてもすきだったわ)

渡良瀬橋で　見る　夕日を　　あなたは　とても　好きだったわ

(きれいなとこでそだったねここにすみたいといった)

きれいなとこで　育ったね　　ここに　住みたいと　言った

(でんしゃにゆられこのまちまであなたはあいにきてくれたわ)

電車に　ゆられ　この町まで　　あなたは　会いに来てくれたわ

(わたしはいまもあのころをわすれられずいきてます)

私は　今も　あの頃を　　忘れられず　生きてます

(いまでもやくもじんじゃへおまいりするとあなたのこといのるわ)

今でも　八雲神社へ　お参りすると　　あなたのこと　祈るわ

(ねがいごとひとつかなうならあのころにもどりたい)

願い事　一つ　叶うなら　　あの頃に　戻りたい

(とこやのかどにぽつんとあるこうしゅうでんわおぼえてますか)

床屋の　角に　ポツンとある　　公衆電話　おぼえてますか

(きのうおもわずかけたくてなんどもじゅわきとったの)

きのう　思わず　かけたくて　　なんども　受話器　とったの

(このあいだわたらせがわのかわらにおりてずっとながれみてたわ)

この間　渡良瀬川の　河原に降りて　ずっと　流れ　見てたわ

(きたかぜがとてもつめたくてかぜをひいちゃいました)

北風が　とても　冷たくて　　風邪を　ひいちゃいました

(だれのせいでもないあなたがこのまちでくらせないことわかってたの)

誰のせいでもない　　あなたが　この街で　暮らせないこと　わかってたの

(なんどもなやんだわだけどわたしここをはなれてくらすことできない)

なんども　悩んだわ　　だけど私　ここを　離れて　暮らすこと　出来ない

(あなたがすきだといったこのまちなみがきょうもくれてゆきます)

あなたが　好きだと言った　この街並みが　　今日も　暮れてゆきます

(ひろいそらととおくのやまやまふたりであるいたまちゆうひがきれいなまち)

広い空と　遠くの　山々　二人で　歩いた街　　夕日が　きれいな街