夏の陰口

(もうしおどきかな)

もう潮時かな

(もえるごみだけくくったらでてこうかな)

燃えるゴミだけくくったら出てこうかな

(しゅうまつはふくかいでかけるのも)

週末は服買い出かけるのも

(これでさいごかな)

これで最後かな

(やりのこしたはなびがしけって)

やり残した花火が湿気って

(せすじがまがっても)

背筋が曲がっても

(ひをつけたらすこしだけ)

火をつけたら少しだけ

(ひばなをまきちらしたことに)

火花をまき散らしたことに

(まつげをのばしたきみだけに)

睫毛を伸ばした君だけに

(おしえてあげたかったな)

教えてあげたかったな

(きみのはがたてにつけたまま)

君の歯形手につけたまま

(つぎはだれのとこへいこうかな)

次は誰のとこへ行こうかな

(ぼくははんぶんとちょっとだけひにやけて)

僕は半分とちょっとだけ日に焼けて

(おさなくみえた)

幼く見えた

(きみはすこしうれいをしって)

君は少し憂いを知って

(つぎはどんないろにそまるかな)

次はどんな色に染まるかな

(いっそふたりでおよげばよかったな)

いっそ二人で泳げばよかったな

(そういえばなつはおわったんだ)

そういえば夏は終わったんだ