被告人Aの告白

(ひととはおろかなものです)

人間とは愚かなものです

(なやめるたねはいつもたにんで)

悩める種はいつも他人で

(そんざいとははかないものです)

存在とは儚いものです

(あなたがしんでもあしたはくるでしょう)

あなたが死んでも明日は来るでしょう

(あなたはえらばれています)

あなたは選ばれています

(おわりのおとがきこえるでしょう)

終焉の音が聞こえるでしょう

(なにもかもがみえるのです)

何もかもが見えるのです

(くうきょなせかいでなにをしんじますか)

空虚な世界で何を信じますか

(せきねんだいきょうえんせいろんひだいてんどうてんらくや)

積年大恐　厭世論肥大　天道転落や

(せいしんかいほうなむみょうほうげどういかさま)

精神解放　南無妙法　外道如何様！

(ぎゃくりゅうてんそうだんとうだいじゃどうだらくだらく)

逆流転送　断頭台　邪道　堕落堕落

(むじゅんだらけののうなしともにいまとう)

矛盾だらけの能無し共に今、「問ふ」

(くさりゆくさだめですせいじょうにくるっています)

腐りゆく運命です　正常に狂っています

(わたしがしんだらあなたはおおごえでなきますか)

「わたしが死んだらあなたは大声で泣きますか？」

(こいというにはいびつであいはよごれすぎている)

恋と云うには歪で　愛は汚れすぎている

(このよにきぼうはないからうつくしいぜつぼうを)

この世に希望はないから美しい絶望を！

(さんぜんせかいとしんりのはてで)

三千世界と真理の果てで

(おろかなるあなたをゆるすから)

愚かなるあなたを赦すから

(しょぎょうむじょうどまんなかで)

諸行無常ど真ん中で

(こどくのかずだけわらいましょう)

孤独の数だけ嗤いましょう

(ぜつぼうしかいがんせよ)

絶望し開眼せよ

(いざよいこがれてくろいねこはなきます)

十六夜焦がれて黒い猫は鳴きます

(とがめるはぞうごんはきけがします)

咎めるは雑言　吐き気がします

(けがれたこのみがたとえばすくわれるなら)

穢れたこの身が　たとえば救われるなら

(むのうなかみをころすときでしょう)

無能な神を殺す時でしょう

(ああきょうもあしたもいまもきようにはいきられない)

ああ　今日も明日も今も器用には生きられない

(くものいとはひかるだけ)

蜘蛛の絲は光るだけ

(じごくにひびくはおわりゆくいのちのぜっきょう)

地獄に響くは終わりゆく生命の絶叫！

(えんせいかんがみちてとう)

厭世観が満ちて、「問ふ」

(くるしいからきれいですひとはにどしねるのです)

苦しいから綺麗です　人は二度死ねるのです

(このよにえいえんがないならこのてでつくるだけ)

「この世に永遠がないならこの手で創るだけ」

(ならくのそこおちてもこのみがひきさかれても)

捺落迦の底堕ちても　この身が引き裂かれても

(しゃんぐりらぐれんのみちのさきどこかであえますか)

シャングリラ　紅蓮の道の先どこかで逢えますか？

(せいじゃせいぎいじょうなせかいでどうかいきづらいとなかないで)

聖者正義　異常な世界で　どうか生き辛いと泣かないで

(しょぎょうむじょうどまんなかで)

諸行無常ど真ん中で

(こどくのかずだけわらいましょう)

孤独の数だけ嗤いましょう

(りんねてんせいのはてのはて)

輪廻転生の果ての果て

(あなたをあいするとちかいましょう)

あなたを愛すると誓いましょう