紫式部 源氏物語 葵 1

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | berry | 7767 | 神 | 7.9 | 98.1% | 428.3 | 3392 | 65 | 56 | 2025/03/29 |
2 | subaru | 7706 | 神 | 8.1 | 94.5% | 417.7 | 3414 | 195 | 56 | 2025/03/29 |
3 | オカピ | 4827 | B | 5.1 | 93.9% | 669.5 | 3453 | 221 | 56 | 2025/03/30 |
4 | じゅんぽこ | 4463 | C+ | 4.6 | 96.8% | 749.8 | 3460 | 113 | 56 | 2025/03/30 |
5 | きりんみかん | 3336 | D | 3.5 | 95.2% | 982.9 | 3453 | 174 | 56 | 2025/03/30 |
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問題文
(うらめしとひとをめにおくこともこそみの おとろへにほかならぬかな (あきこ))
恨めしと人を目におくこともこそ身の おとろへにほかならぬかな (晶子)
(てんしがあたらしくおたちになり、じだいのくうきがかわってから、げんじはなににもきょうみが)
天子が新しくお立ちになり、時代の空気が変わってから、源氏は何にも興味が
(なくなっていた。かんいのしょうしんしたきゅうくつさもあって、しのびあるきももうかるがるしくでき)
なくなっていた。官位の昇進した窮屈さもあって、忍び歩きももう軽々しくでき
(ないのである。あちらこちらにもまってとわれぬこいびとのなやみをつくらせていた。)
ないのである。あちらこちらにも待って訪われぬ恋人の悩みを作らせていた。
(そんなうらみのむくいなのかげんじじしんはちゅうぐうのごれいたんさをなげくくるしいなみだばかりをながし)
そんな恨みの報いなのか源氏自身は中宮の御冷淡さを歎く苦しい涙ばかりを流し
(ていた。くらいをおしりぞきになったいんとちゅうぐうはふつうのいえのふうふのようにくらしておいで)
ていた。位をお退きになった院と中宮は普通の家の夫婦のように暮らしておいで
(になるのである。さきのこきでんのにょごであるしんこうたいごうはねたましくおぼしめすのか、)
になるのである。前の弘徽殿の女御である新皇太后はねたましく思召すのか、
(いんへはおいでにならずにとうていのごしょにばかりいっておいでになったから、)
院へはおいでにならずに当帝の御所にばかり行っておいでになったから、
(いどみかかるきょうそうしゃもなくてちゅうぐうはおきらくにみえた。おりおりはおんがくのかいなどを)
いどみかかる競争者もなくて中宮はお気楽に見えた。おりおりは音楽の会などを
(せけんのひょうばんになるほどはでにあそばして、いんのへいかのごせいかつはきわめてごこうふくな)
世間の評判になるほど派手にあそばして、院の陛下の御生活はきわめて御幸福な
(ものであった。ただこいしくおぼしめすのはだいりにおいでになるとうぐうだけである。)
ものであった。ただ恋しく思召すのは内裏においでになる東宮だけである。
(ごこうけんをするひとのないことをごしんぱいになって、げんじへそれをおめいじになった。)
御後見をする人のないことを御心配になって、源氏へそれをお命じになった。
(げんじはやましくおもいがならもうれしかった。)
源氏はやましく思いながらもうれしかった。
(あのろくじょうのみやすどころのうんだぜんこうたいしのわすれがたみのにょおうがさいぐうにせんていされた。)
あの六条の御息所の生んだ前皇太子の忘れ形見の女王が斎宮に選定された。
(げんじのあいのたよりなさをかんじているみやすどころは、さいぐうのねんしょうなのにたくしてじぶんも)
源氏の愛のたよりなさを感じている御息所は、斎宮の年少なのに托して自分も
(いせへくだってしまおうかとそのときからおもっていた。このうわさをおききになって)
伊勢へ下ってしまおうかとその時から思っていた。この噂を院がお聞きになって
(このうわさをおききになって、)
この噂を院がお聞きになって、
(「わたくしのおとうとのとうぐうがひじょうにあいしていたひとを、おまえがなんでもなくあつかうのをみて、)
「私の弟の東宮が非常に愛していた人を、おまえが何でもなく扱うのを見て、
(わたくしはかわいそうでならない。さいぐうなどもめいではなくじぶんのないしんのうとおなじように)
私はかわいそうでならない。斎宮なども姪ではなく自分の内親王と同じように
(おもっているのだから、どちらからいってもみやすどころをそんちょうすべきである。)
思っているのだから、どちらからいっても御息所を尊重すべきである。
(たじょうなこころから、ねっしたり、つめたくなったりしてみせては)
多情な心から、熱したり、冷たくなったりしてみせては世間が
(せけんがおまえをひなんする。」)
世間がおまえを批難する。」
(とげんじへこごとをおいいになった。げんじじしんのこころにもそうおもわれることであったか)
と源氏へ小言をお言いになった。源氏自身の心にもそう思われることであったか
(ら、ただきょうしゅくしているばかりであった。)
ら、ただ恐縮しているばかりであった。
(「あいてのめいよをよくかんがえてやって、どのひとをもこうへいにあいして、)
「相手の名誉をよく考えてやって、どの人をも公平に愛して、
(ておんなのうらみをかわないようにするがいいよ」)
女の恨みを買わないようにするがいいよ」
(ごちゅうこくをうけたまわりながらも、ちゅうぐうをこいするあるまじいこころが、)
ご忠告を承りながらも、中宮を恋するあるまじい心が、
(こんなふうにおみみへはいったらどうしようとおそろしくなって、)
こんなふうにお耳へはいったらどうしようと恐ろしくなって、
(かしこまりながらいんをたいしゅつしたのである。)
かしこまりながら院を退出したのである。
(いんまでもみやすどころとのかんけいをみとめてのおおせがあるまでになっているのであるから、)
院までも御息所との関係を認めての仰せがあるまでになっているのであるから、
(おんなのめいよのためにも、じぶんのためにもけいそつなことはできないとおもって、)
女の名誉のためにも、自分のためにも軽率なことはできないと思って、
(いぜんよりもいっそうそのこいびとをそんちょうするけいこうにはなっているが、)
以前よりもいっそうその恋人を尊重する傾向にはなっているが、
(げんじはまだこうぜんにつまであるたいぐうはしないのである。おんなもねんちょうであるてんをはじて、)
源氏はまだ公然に妻である待遇はしないのである。女も年長である点を恥じて、
(しいてふじんのちいをようきゅうしない。げんじはいくぶんそれをよいこ)
しいて夫人の地位を要求しない。源氏はいくぶんそれをよいこ
(とにしているかたちで、いんもごしょうちになり、せけんでもしらぬひとがないまでに)
とにしている形で、院も御承知になり、世間でも知らぬ人がないまでに
(なってなおいまもせいいをみせないとおんなはふかくうらんでいた。)
なってなお今も誠意を見せないと女は深く恨んでいた。
(このうわさがせけんからつたわってきたとき、しきぶきょうのみやのあさがおのひめぎみは、)
この噂が世間から伝わってきた時、式部卿の宮の朝顔の姫君は、
(じぶんだけはげんじのあまいささやきによって、)
自分だけは源氏の甘いささやきに酔って、
(やがてはにがいくいのなかにじこをみいだすぐをまなぶまいとこころにおもうところがあって)
やがては苦い悔いの中に自己を見いだす愚を学ぶまいと心に思うところがあって
(、げんじのてがみにときにはみじかいへんじをかくこともいぜんはあったが、)
、源氏の手紙に時には短い返事を書くことも以前はあったが、
(それももうおおくのばあいかかぬことになった。)
それももう多くの場合書かぬことになった。
(そうといってもろこつにはんかんをみせたり、)
そうといっても露骨に反感を見せたり、
(けいべつてきなたいどをとったりすることのないのをげんじはうれしくおもった。)
軽蔑的な態度をとったりすることのないのを源氏はうれしく思った。
(こんなひとであるからながいねんげつのあいだわすれることもなくかなしいのであるとおもっていた)
こんな人であるから長い年月の間忘れることもなく悲しいのであると思っていた
(。)
。
(さだいじんけにいるあおいふじん)
左大臣家にいる葵夫人
((このひとのことをおもにしてかかれたかんのなをもちいてかく))
(この人のことを主にして書かれた巻の名を用いて書く)
(はこんなふうにげんじのこころがいくつにもわかれているのをにくみながらも、)
はこんなふうに源氏の心が幾つにも分かれているのを憎みながらも、
(たいしてほかのれんあいをかくそうともしないひとには、)
たいしてほかの恋愛を隠そうともしない人には、
(うらみをいっていいがいがないとおもっていた。ふじんはにんしんしていて)
恨みを言って言いがいがないと思っていた。夫人は妊娠していて
(きぶんがわるくこころぼそいきになっていた。げんじはわがこのははになろうとするふじんに)
気分が悪く心細い気になっていた。源氏はわが子の母になろうとする葵夫人に
(またあたらしいあいをかんじはじめた。)
また新しい愛を感じ始めた。
(そしてこれもよろこびながらふあんでならなくおもうしゅうとふうふとともに)
そしてこれも喜びながら不安でならなく思う舅夫婦とともに
(にんぷのかごをしんぶつへいのることにつとめていた。)
妊婦の加護を神仏へ祈ることにつとめていた。
(こうしたことのあるあいだはげんじもこころによゆうがすくなくて、)
こうしたことのある間は源氏も心に余裕が少なくて、
(あいしてはいながらもたずねていけないこいびとのいえがおおかったであろうとおもわれる。)
愛してはいながらも訪ねて行けない恋人の家が多かったであろうと思われる。