大人にはなれない

(すくえないうたをうたってふさぎこむようにきすをして)

救えない歌を歌って 塞ぎ込むようにキスをして

(そのあとはどうしよっかふたりさくらでもみようか)

その後はどうしよっか 二人桜でも見ようか

(いつまでたってもぼくらはおとなにはなれない)

いつまで経っても 僕らは大人にはなれない

(どうかそれでも)

どうかそれでも

(わらっていてほしいんだ)

笑っていて欲しいんだ

(いつのことだっけ？なげたかみひこうきがとびさってったこと)

いつのことだっけ？ 投げた紙飛行機が飛び去ってったこと

(ゆびからはなってすいこまれるようにそらへきえてったんだ)

指から放って 吸い込まれるように空へ消えてったんだ

(そんなこともあったねにゅうどうぐもにのまれてきえたかみきれが)

そんなこともあったね 入道雲に呑まれて消えた紙切れが

(うらやましかったぼくらもあんなふうにとべたらいいのにね)

羨ましかった 僕らもあんな風に飛べたらいいのにね

(いつのことだっけ？くもるまどにゆびでせかいをえがいたこと)

いつのことだっけ？ 曇る窓に指で世界を描いたこと

(なぞってくたびにすんでいくあおぞらがどうもきれいだった)

なぞってく度に 澄んでいく青空がどうも綺麗だった

(そんなこともあったねことばだけでつむいだぼくらのゆーとぴあ)

そんなこともあったね 言葉だけで紡いだ僕らのユートピア

(うそじゃなかったよねくうそうばかりがぼくらのげんじつだった)

嘘じゃなかったよね 空想ばかりが僕らの現実だった

(ひびはゆらぐようによるをたゆたうように)

日々は揺らぐように 夜を揺蕩うように

(おやすみっていわれるのはやっぱりこわいままで)

「おやすみ」って言われるのは やっぱり怖いままで

(きみがわらうようにぼくがなかないようにってねがったまま)

君が笑うように 僕が泣かないように って願ったまま

(すくえないうたをうたってふさぎこむようにきすをして)

救えない歌を歌って 塞ぎ込むようにキスをして

(そのあとはどうしようかふたりさくらでもみようか)

その後はどうしようか 二人桜でも見ようか

(いつまでたってもぼくらはおとなにはなれない)

いつまで経っても 僕らは大人にはなれない

(どうかそれでも)

どうかそれでも

(わらっていてほしいんだ)

笑っていて欲しいんだ

(いつのことだっけ？あなたがよるひとりできえてしまったこと)

いつのことだっけ？ あなたが夜ひとりで消えてしまったこと

(わすれられないっておもってたのにずいぶんなつかしくなっちゃった)

忘れられないって思ってたのに 随分懐かしくなっちゃった

(そんなこともあったねそとがすこしずつももいろにそまっていく)

そんなこともあったね 外が少しずつ桃色に染まっていく

(このせまいはこをでたらあのさくらをみにいこう)

「この狭い箱を出たらあの桜を見に行こう！」

(ときがすぎるようにはながかれるように)

時が過ぎるように 花が枯れるように

(ゆめならばどうしようっていまでもたまにおもっちゃうんだ)

夢ならばどうしようって 今でもたまに思っちゃうんだ

(きみがねむるころにぼくはおきてたいとおもっていて)

君が眠る頃に 僕は起きてたいと思っていて

(わらえないじょうだんってひていしてほしくてさけんでみて)

笑えない冗談って 否定して欲しくて叫んでみて

(ゆめならばにどとさめないでくれとこころからねがっていた)

夢ならば二度と覚めないでくれと 心から願っていた

(いつかのおわりにきみがぼくをわすれようとも)

いつかの終わりに 君が僕を忘れようとも

(どうかそれでも)

どうかそれでも

(わらっていてほしいんだ)

笑っていて欲しいんだ

(まどろみにしずんでねむたいねってわらいあって)

微睡に沈んで 眠たいねって笑いあって

(それならばどうしようかつづきはあしたにしようか)

それならばどうしようか 続きは明日にしようか

(あこがれてえがいてきたぼくらのせかいがぜんぶうそでも)

憧れて描いてきた僕らの世界が 全部嘘でも

(わらって)

笑って

(うそつきだねってわらって)

嘘つきだねって笑って

(さよならのひにはきすをして)

さよならの日にはキスをして

(そのあとはどうしよっかふたりさくらでもみようか)

そのあとはどうしよっか 二人桜でも見ようか

(いつまでたってもぼくはおとなにはなれなかったよ)

いつまで経っても 僕は大人にはなれなかったよ

(どうかそれでも)

どうかそれでも

(わらっていてくれるかな)

笑っていてくれるかな

(こどものときえがいたみたいなゆーとぴあはかなえられなかったね)

子供のとき描いたみたいな ユートピアは叶えられなかったね

(あのときなげたかみひこうきもけっきょくかえってはこなかったね)

あの時投げた紙飛行機も 結局帰ってはこなかったね

(さよならのことばをいうときになればきっとおもいだすから)

さよならの言葉を言う時になれば きっと思い出すから

(あのひびもぼくのなまえもやくそくも)

あの日々も 僕の名前も 約束も

(だからそれまで)

だからそれまで

(わらっていてほしいんだ)

笑っていて欲しいんだ