【maimai】洗脳

(ひとにうまれひとになるため)

人に生まれ 人になるため

(あすというなのかばんせおって)

明日と言う名の カバン背負って

(ありふれたみらいをつめた)

有り触れた 未来を詰めた

(はいきゅうのれつはだいじゅうたいだ)

配給の列は大渋滞だ

(ただのぞまれることもただえらばれることも)

ただ望まれる事も ただ選ばれる事も

(このうでではささえきれずいのちははりさけた)

この腕では支え切れず 命は張り裂けた

(しにたがるどうきはどうせないけれど)

死にたがる動機はどうせ無いけれど

(いきてみるどうりもなくて)

生きてみる道理もなくて

(これからもそれはきっとゆるがない)

これからもそれはきっと揺るがない

(ならばいまをいきている)

ならば今を生きている

(ぼくらなににすがればいい)

僕等何に縋ればいい

(ひとにうまれひとになれずに)

人に生まれ 人になれずに

(れつはいまでははかばのようだ)

列は今では 墓場のようだ

(のこされたみらいのふしゅうも)

残された 未来の腐臭も

(さんびをきわめあすごともやした)

酸鼻を極め 明日ごと燃やした

(ただゆるされることがまだしんじられなくて)

ただ許される事が まだ信じられなくて

(わらいものにされるならといのちにかぎかけた)

笑い者に されるならと 命に鍵掛けた

(あいされることだけがすべてだとそのきょうべんをとるのなら)

愛される事だけが全てだと その教鞭を執るのなら

(そのきょうかしょだとかずかんとやらは)

その教科書だとか図鑑とやらは

(このむねにぽっかりあいた)

この胸にぽっかり開いた

(あなをどうといているんですか)

穴をどう説いているんですか

(ほおをつたったなみだのあとをおいかけていきついたさきで)

頬を伝った 涙の跡を 追い掛けて行き着いた先で

(すてられたままやせこけていた)

捨てられたまま 痩せこけていた

(ゆめたちがこごえていた)

夢たちが凍えていた

(ときだけがざんこくにすぎていけど)

時だけが残酷に過ぎて往けど

(かわらないきょうりのしょうそうと)

変わらない胸裏の傷愴と

(かわれないおいてけぼりのぼくらを)

変われない置いてけぼりの僕等を

(かこたちがあざわらっている)

過去たちが嘲笑っている

(むきだしのこころはことばとよぶあめあられにさらされて)

剥き出しの心は言葉と呼ぶ　雨霰に曝されて

(いきもたえだえになったこのみゃくを)

息も絶え絶えになったこの脈を

(どうかそっとあたためてくれそのりょうてであたためてくれ)

どうかそっと暖めてくれ その両手で暖めてくれ