レイニーズハイ

(あめのなかをはしるかえりみちに)

雨の中を走る帰り道に

(ついえたゆめのかけらをかかえて)

潰えた夢の欠片を抱えて

(どうしようもないほどぬれたてがみは)

どうしようもないほど濡れた手紙は

(もうよみかえせない)

もう読み返せない

(あなたのためにしたためたことばも)

あなたのために認めた言葉も

(いまとなればただのにじむくろ)

今となればただの滲む黒

(だれにわらわれようとかまいやしない)

誰に嗤われようと構いやしない

(そうきめたのに)

そう決めたのに

(ぜんぶぜんぶむだだとはいて)

全部　全部　無駄だと吐いて

(ないてもころんでもやめられはしない)

泣いても転んでもやめられはしない

(いますぐてをのばしてあめにうたれひざをすりむこうとも)

今すぐ手を伸ばして雨に打たれ　膝を擦りむこうとも

(かさぶたはあつくなってゆるぎのないこころになる)

瘡蓋は厚くなって　揺るぎのない心になる

(そらをつかんだとしてもそのてにはたしかにふえていく)

空を掴んだとしても　その手には確かに増えていく

(きずだらけでみにくいままはしるすがたがうつくしいとおもえた)

傷だらけで醜いまま　走る姿が美しいと思えた

(ついやすほどにふくれていくきょうふと)

費やすほどに膨れていく恐怖と

(くずれるたびにそだついたみと)

崩れるたびに育つ痛みと

(せにしてすすむでいねいのさいはて)

背にして進む泥濘の最果て

(こたえもしらずに)

答えも知らずに

(ぜんぶぜんぶふりほどいて)

全部　全部　振り解いて

(れーるもるーるもこえて)

レールもルールも超えて

(わかれみちのまえでたちすくみまいごになろうとも)

分かれ道の前で立ち竦み　迷子になろうとも

(ふみだすいっぽのいくさきがあすをてらすあかりになる)

踏み出す一歩の行く先が　明日を照らす明かりになる

(ふせいかいだったとしてもえらびだしたゆうきこそがただしさ)

不正解だったとしても　選びだした勇気こそが正しさ

(どろだらけでみにくいままはしるすがたがうつくしいとおもえた)

泥だらけで醜いまま　走る姿が美しいと思えた

(しっぱいとこうかいのざんがいにふれてなおてをのばす)

失敗と後悔の残骸に触れてなお手を伸ばす

(あなたのすがたをわすれられない)

あなたの姿を忘れられない

(どしゃぶりのなかなんだあまつぶにぬれないみちなんてない)

土砂降りの中なんだ　雨粒に濡れない道なんて無い

(ずぶぬれでみにくいままはしるあなたがうつくしいとおもう)

ずぶ濡れで醜いまま　走るあなたが美しいと思う

(いますぐてをのばしてあめにうたれひざをすりむこうとも)

今すぐ手を伸ばして　雨に打たれ膝を擦りむこうとも

(かさぶたはあつくなってゆるぎのないこころになる)

瘡蓋は厚くなって　揺るぎのない心になる

(そらをつかんだとしてもそのてにはたしかにふえていく)

空を掴んだととしても　その手には確かに増えていく

(きずだらけでみにくいままはしるすがたがうつくしいとおもうの)

傷だらけで醜いまま　走る姿が美しいと思うの

(あなたがおしえてくれたように)

あなたが教えてくれたように