有漏の町
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歌詞(問題文)
(もうもくのがにほふられて)
盲目の蛾に屠られて
(ゆらぐみくずにまたしたたりおちていく)
揺らぐ水屑にまた滴り落ちて行く
(しめるかぜはやばんなこえをまだまとったままで)
湿る風は野蛮な声をまだ纏ったままで
(もふくのれつにひびくうぶごえ)
喪服の列に響く産声
(そうようざわめきみみをふさぐろうば)
奏葉ざわめき耳を塞ぐ老婆
(にじむてあせのふかいかんがなんどでもとびらをたたく)
滲む手汗の不快感が何度でも扉を叩く
(すだつさよなきどりきりをはらううたよ)
巣立つ小夜鳴鳥 霧を払う歌よ
(ほんのわずかなはれまをはばたいて)
ほんの僅かな晴れ間を羽ばたいて
(あさはいのりささげよいにまぎれきえる)
朝は祈り捧げ宵に紛れ消える
(そのすがたにすくわれていたのに)
その姿に救われていたのに
(どんてんのそらのているいはみちにまよわせ)
曇天の空の涕涙は道に迷わせ
(きおくをさびつかせていく)
記憶を錆び付かせて行く
(おもいをはらんだあまつぶは)
想いをはらんだ雨粒は
(どこへながれついてきえていくのでしょうか)
どこへ流れ着いて消えていくのでしょうか
(つぶやいたのろいのねとめどなくといかける)
呟いた呪いの音 止め処なく問い掛ける
(みみざわりなはきだめから)
耳障りな掃き溜めから
(かりもののぼせきにあなをうがつうろのえみ)
借り物の墓石に穴を穿つ有漏の笑み
(うでにからみもつれたばらのとげもやがてかれた)
腕に絡みもつれた薔薇の棘もやがて枯れた
(みなもゆらすますのうろつきに)
水面揺らす鱒のうろつきに
(かげをかさねあわれみのえをひとかけら)
影を重ね憐れみの餌を一欠片
(むねのなかにおしこめたてがみは)
胸の中に押し込めた手紙は
(まだあなたのてもとにありますか)
まだあなたの手元にありますか
(かだんをふみあらしかわをどろでにごす)
花壇を踏み荒らし川を泥で濁す
(あてにならないやくそくてばなした)
あてにならない約束手放した
(さりぎわのゆうべにそよぐわすれなぐさ)
去り際の夕べに戦ぐ勿忘草
(そのいろにすくいももとめずに)
その色に救いも求めずに
(どんてんのそらのているいにみちはぬかるみ)
曇天の空の涕涙に道はぬかるみ
(しぶきをあげおしながす)
飛沫を上げ押し流す
(いすをけりたおすきがいもないくせに)
椅子を蹴り倒す気概も無いくせに
(くびになわをかけるのはもうなんどめだろうか)
首に縄をかけるのはもう何度目だろうか
(かれはてためのおくでゆらめいたきぼうのひ)
枯れ果てた目の奥で揺らめいた希望の灯
(ひつじかいのゆびぶえおかのうえからそのねを)
羊飼いの指笛 丘の上からその音を
(さらう)
攫う
(せきりょうのかぜはまつのたねをのせてあれて)
寂寥の風は松の種を乗せて荒れて
(まどわくをゆするだけ)
窓枠を揺するだけ
(はちみついろのかべはむろをいざないきおくをよみがえらせる)
蜂蜜色の壁は無漏を誘い記憶を蘇らせる
(おもいをたくしたみずどりのゆくえを)
想いを託した水鳥の行方を
(おってゆくのはわがままなのでしょうか)
追って逝くのはわがままなのでしょうか
(つぶやいたのろいのねとめどなくといかける)
呟いた呪いの音 止め処なく問い掛ける
(つぶやいたすくいのねとめどなくさしのべては)
呟いた救いの音 止め処なく差し伸べては
(ひびかせたまえ)
響かせ給え