『色は匂へど散りぬるを』

(いろはにおえどいつかちりぬるを)

色は匂へど いつか散りぬるを

(さまようことさえゆるせなかった)

彷徨う ことさえ 許せなかった…

(さきほこるはなはいつか)

咲き誇る花は いつか

(おしえてくれたいきるだけではつみと)

教えてくれた 生きるだけでは罪と

(はなれられないはなせはしないと)

離れられない 離せはしないと

(いだくおもいはこころをおどらせるばかり)

抱く思いは 心を踊らせるばかり

(ばかり)

ばかり

(いろはにおえどいつかちりぬるを)

色は匂へど いつか散りぬるを

(さまようひまはないけれどあとずさり)

彷徨う暇はない けれど後退り

(あまえるかよわさとあまえられぬよわさで)

甘えるか弱さと 甘えられぬ弱さで

(あくむがやさしくわたしをもてあそぶ)

悪夢が優しく 私を弄ぶ

(よわさしるあなたはいま)

弱さ知る 貴方は今

(ゆるしてくれたもとめるもののよくを)

許してくれた 求める者の欲を

(けなげにさいたせつなのうつくしさ)

健気に咲いた 刹那の美しさ

(それをしるにはおそすぎたのかもしれない)

それを知るには 遅すぎたのかもしれない

(いろはにおえどいつかちりぬるを)

色は匂へど いつか散りぬるを

(あなたのすべてにおさなくゆだねたい)

貴方の 全てに 幼くゆだねたい…

(ゆるせぬやさしさとゆるぐどくせんよくは)

許せぬ優しさと 揺るぐ独占欲は

(はかりにかけられぬわがままなあい)

秤にかけられぬ 我儘な愛

(いろはにおえどすべてちりぬるを)

色は匂へど すべて散りぬるを

(みじかききおくにこぼれるおもい)

短き記憶に 零れる思い

(かれゆくいのちよはかなくつよくあれ)

枯れゆく 命よ 儚く強くあれ

(むじひでやさしいときのように)

無慈悲で 優しい 時のように