翼が無くても

(おりのなかでそだったこのからだは)

檻の中で育ったこの体は

(まだあおくまだどこにもとべやしないのに)

まだ青くまだどこにも飛べやしないのに

(とみやめいよがあれどもじゆうはとおくて)

富や名誉があれども自由は遠くて

(それでもとおくへゆめをいだく)

それでも「遠く」へ夢を抱く

(そらをながめるそれだけはしあわせだとか)

空を眺める それだけは幸せだとか

(とくべつのはてにあるのはしあわせなのか)

特別の果てにあるのは幸せなのか？

(きょうかしょもおとなたちもだれもおしえてくれない)

教科書も大人達も誰も教えてくれない

(きみもさぼくとおなじだろう)

君もさ僕と同じだろう？

(このそらのさきへはばたこう)

この空の先へ羽ばたこう

(ぴあのなんかひかなくてもおこられぬせかいへ)

ピアノなんか弾かなくても怒られぬ世界へ

(このままふたりであるきだして)

このまま二人で歩き出して

(ありもしないつばさをひろげはためかせ)

ありもしない翼を広げはためかせ

(このそらのさきにゆけるのなら)

この空の先にゆけるのなら

(きっとすてきでしょう)

きっと素敵でしょう

(こいなんていままでしらなかったよ)

恋なんて今まで知らなかったよ

(ここにきてわかったんだ１りじゃないこと)

ここにきてわかったんだ 1人じゃないこと

(とみやめいよはいらないつばさがほしいと)

富や名誉はいらない 翼が欲しい　と

(そんなものなくてもとんでみせるさ)

そんなもの無くても飛んでみせるさ

(そらをながめるそれだけじゃしあわせじゃない)

空を眺める それだけじゃ幸せじゃない

(とくべつのはてにあるのはしあわせじゃない)

特別の果てにあるのは幸せじゃない

(きょうかしょもおとなたちもみなうそばっかついて)

教科書も大人達も皆嘘ばっかついて

(きみはさわかってくれるだろう)

君はさわかってくれるだろう？

(このそらのさきへはばたこう)

この空の先へ羽ばたこう

(まんてんとれなくてもいかられぬせかいへ)

満点取れなくても怒られぬ世界へ

(このままふたりであるきだして)

このまま二人で歩き出して

(ありもしないつばさですべておわらせよう)

ありもしない翼で全て終わらせよう

(このそらのさきにゆけるのなら)

この空の先にゆけるのなら

(きっといけるさぼくらふたりで)

きっと行けるさ僕ら二人で

(てをつないでゆめときぼういだいて)

手を繋いで 夢と希望抱いて

(みらいをえがおできりすて)

未来を笑顔で切り捨て

(さあひびけせつぼうのあっぷらいとぴあの)

さあ響け切望のアップライトピアノ

(はなれないくるしくてとけないてのかせが)

(離れない苦しくて解けない手の枷が

(かえしてかえしてまだみぬみらいのひかり)

返して返して まだ見ぬ未来の光

(すきだよえがおでいいすてた)

「好きだよ」笑顔で言い捨てた

(しにたくないよ)

死にたくないよ…)

(このおりのそとへ)

この檻の外へ…

(このおおぞらにつばさをひろげとんでゆきたいよ)

（この大空に翼を広げ飛んで行きたいよ

(かなしみのないじゆうなそらへつばさはためかせ)

悲しみの無い自由な空へ翼はためかせ）

(とびたとう)

飛び立とう

(このそらのさきへふたりでおちよう)

この空の先へ二人で落ちよう

(ほうかごにあそんでもなぐられぬせかいへと)

放課後に遊んでも殴られぬ世界へと

(このままふたたびかえれずとも)

このまま再び帰れずとも

(ありもしないしあわせをこのてでこわそう)

ありもしない幸せをこの手で壊そう

(このそらのさきへおちておちて)

この空の先へ落ちて落ちて

(とおくもないぐらうんどにあたまをうって)

遠くもないグラウンドに頭を打って

(このままふたりでおわらせたら)

このまま二人で終わらせたら

(ありもしないつばさでのぞんだそらへと)

ありもしない翼で望んだ空へと

(ぼくたちいいこじゃなかったけど)

僕達いい子じゃなかったけど

(これでしあわせだ)

これで幸せだ

(これがしあわせか)

(これが幸せか？)