モラトリアムの悪態

(ゆうしゅうのなつおとしたしせん)

憂愁の夏　落とした視線

(れんびんのじょうもわかなくなった)

憐憫の情も湧かなくなった

(むいをかさねるしこうはめぐる)

無為を重ねる　思考は巡る

(たまっていくだけのたすく)

溜まっていくだけのタスク

(あんたんとしたひょうじょうのひび)

暗澹とした表情の日々

(まるでしんでいるみたいなんだ)

まるで死んでいるみたいなんだ

(こうりょうとしたこころかくして)

荒涼とした心隠して

(またじゅうそくをいつわっている)

また充足を偽っている

(そもそもりそうをえがけない)

そもそも理想を描けない

(だからたどるべきみちもみうしない)

だから辿るべき道も見失い

(とうにどろっぷあうとえりーとこーす)

疾うにドロップアウトエリートコース

(はがんしてるせいらいのさが)

破顔してる生来の性

(りょうしんのかしゃくにくるしもうが)

良心の呵責に苦しもうが

(さいはなげられてもうておくれだ)

賽は投げられてもう手遅れだ

(じりゅうにさからいききょうにふるまい)

時流に逆らい奇矯に振舞い

(どうしようもないもらとりあむを)

どうしようもないモラトリアムを

(いきているようだうとめばいいさ)

生きているようだ　疎めばいいさ

(めいていのきょうはいっときだなぐさめにもなってはくれないさ)

（酩酊の興は一時だ　慰めにもなってはくれないさ）

(きんきさえぜとなりかたがつくせかいだ)

禁忌さえ是となり片が付く世界だ

(らくえんのようでいきじごくていれつなさんそをすう)

（楽園のようで生き地獄　低劣な酸素を吸う）

(めんざいふをうたう)

免罪符を歌う

(いくばくかのしゅんじゅんのあとで)

幾許かの逡巡の後で

(いつだつそうだじんせいのかどで)

逸脱　そうだ人生の門出

(もうきらいきたいしない)

「もう嫌い期待しない！」

(しかいせまいよけいなおせわ)

視界狭い？余計なお世話

(だまって)

「黙って。」

(きゅうきょうにたたされてるが)

窮境に立たされてるが

(ぜんぶぜんぶじぶんのせいで)

全部全部自分の所為で

(ありじごくかちひとつまもれないな)

蟻地獄　価値一つ守れないな

(もうおわらせたい)

もう、終わらせたい

(そろそろきぼうをいだきたい)

そろそろ希望を抱きたい

(しかしあくまのしがはまだするどい)

しかし悪魔の歯牙はまだ鋭い

(かなりやばいくらいつらいなじんせい)

かなりヤバい暗い　辛いな人生

(はたんしてるせいかつのまま)

破綻してる生活のまま

(あまだれいしをうがつといえども)

雨垂れ石を穿つと言えども

(がいぜんせいのとぼしいりろんだ)

蓋然性の乏しい理論だ

(かわらないひびあいせきいだき)

変わらない日々　愛惜抱き

(どうしようもないもらとりあむだああ)

どうしようもないモラトリアムだ　嗚呼

(みからでたさびがんめいがたたっている)

身から出た錆　頑迷が祟っている

(だれのことばもひびかないもらとりあむをああ)

誰の言葉も響かないモラトリアムを　嗚呼

(いきていくようだわらえばいいさ)

生きていくようだ　笑えばいいさ

(きれいなかこをせいさんしてくうろんをたずさえてふりかざす)

（綺麗な過去を清算して　空論を携えて振りかざす）

(きんきさえぜとなりかたがつくせかいだ)

禁忌さえ是となり片が付く世界だ

(らくえんのようでいきじごくていれつなさんそをすう)

（楽園のようで生き地獄　低劣な酸素を吸う）

(めんざいふをうたう)

免罪符を歌う