長文_毎日練習_夏の終わり

(なつのおわりには、どこかせつなさとしずけさがただよいます。)

夏の終わりには、どこか切なさと静けさが漂います。

(にっちゅうはまだあつさがのこっていても、あさゆうにはすずしいかぜがふきはじめ、)

日中はまだ暑さが残っていても、朝夕には涼しい風が吹き始め、

(せみのなきごえがすこしずつとーんだうんしていくのをかんじると、)

蝉の鳴き声が少しずつトーンダウンしていくのを感じると、

(きせつがかくじつにうつろいはじめていることにきづかされます。)

季節が確実に移ろい始めていることに気づかされます。

(そらのいろも、まなつのきょうれつなあおから、どこかやわらかくあわいいろあいにかわり、)

空の色も、真夏の強烈な青から、どこか柔らかく淡い色合いに変わり、

(くものかたちもすこしずつあきのそれにちかづいていきます。)

雲の形も少しずつ秋のそれに近づいていきます。

(こどもたちにとってはなつやすみのおわりがちかづき、しゅくだいにおわれながらも、)

子どもたちにとっては夏休みの終わりが近づき、宿題に追われながらも、

(さいごのはなびやまつりをなごりおしむようにたのしむじきです。)

最後の花火や祭りを名残惜しむように楽しむ時期です。

(おとなにとっても、あわただしかったなつのいべんとやりょこうのよいんにひたりながら、)

大人にとっても、慌ただしかった夏のイベントや旅行の余韻に浸りながら、

(すこしずつにちじょうにもどるじゅんびをはじめるころかもしれません。)

少しずつ日常に戻る準備を始める頃かもしれません。

(なつのおわりはしぜんのへんかをごかんでかんじることのできるきちょうなときでもあります。)

夏の終わりは自然の変化を五感で感じることのできる貴重な時でもあります。

(かぜのおとやむしのこえ、ゆうぐれどきのくうきのにおい、くさきのいろのへんか。)

風の音や虫の声、夕暮れ時の空気の匂い、草木の色の変化。

(なにげないにちじょうのなかに、たしかなきせつのうつりかわりがそんざいしています。)

何気ない日常の中に、確かな季節の移り変わりが存在しています。

(とくにゆうやけのうつくしさはかくべつで、あかねいろにそまるそらをながめながら、)

とくに夕焼けの美しさは格別で、茜色に染まる空を眺めながら、

(すぎさるなつをしみじみとおもうひともおおいでしょう。)

過ぎ去る夏をしみじみと想う人も多いでしょう。

(このじきは、どこかこころがせんちめんたるになりやすく、)

この時期は、どこか心がセンチメンタルになりやすく、

(なつかしいきおくがふとよみがえることもあります。)

懐かしい記憶がふと蘇ることもあります。

(なつにけいけんしたできごとやであい、わかれなどが、)

夏に経験した出来事や出会い、別れなどが、

(あきかぜとともにこころのおくそこにしずかにしみいってくるようです。)

秋風とともに心の奥底に静かに染み入ってくるようです。

(けれども、なつのおわりはけっしてかなしみだけのきせつではありません。)

けれども、夏の終わりは決して悲しみだけの季節ではありません。