勇者

(まるでおとぎのはなし)

まるでおとぎの話

(おわりむかえたあかし)

終わり迎えた証

(ながすぎるたびじから)

長過ぎる旅路から

(きりだしたいっせつ)

切り出した一説

(それはかつてこのちに)

それはかつてこの地に

(かげをおとしたあくをうちとりしゆうしゃとの)

影を落とした悪を打ち取りし勇者との

(みじかいたびのきおく)

短い旅の記憶

(ものがたりはおわり)

物語は終わり

(ゆうしゃはねむりにつく)

勇者は眠りにつく

(おだやかなにちじょうをこのちにのこして)

穏やかな日常をこの地に残して

(ときのながれはむじょうにひとをわすれさせる)

時の流れは無情に人を忘れさせる

(そこにいきたきせきもさびついてく)

そこに生きた軌跡も錆びついてく

(それでもきみのことばもねがいもゆうきも)

それでも君の言葉も願いも勇気も

(いまもたしかにわたしのなかでいきている)

今もたしかに私の中で生きている

(おなじみちをえらんだそれだけだったはずなのにいつのまにかどうして)

同じ道を選んだそれだけだったはずなのにいつの間にかどうして

(ほほをつたうなみだのわけをもっとしりたいんだ)

頬を伝う涙の理由をもっと知りたいんだ

(いまさらだって)

今更だって

(ともにあゆんだたびじをたどれば)

ともに歩んだ旅路を辿れば

(そこにきみはいなくとも)

そこに君はいなくとも

(きっとみつけられる)

きっと見つけられる