ロスト、シュタイナー

(くらすのりーだーかくのこが)

クラスのリーダー格の子が

(もてはやしてたとれんどに)

持て囃してたトレンドに

(ぶらさがるとりまき)

ぶら下がる取り巻き

(てをたたいてびじれいくを)

手を叩いて美辞麗句を

(はくさまは)

吐く様は

(しゅうきょうのようだったわ)

宗教のようだったわ

(ひさんどうしゃをひさんだって)

非賛同者を悲惨だって

(つるしてさらして)

吊るして晒して

(はじのらくいんぺたぺた)

恥の烙印ペタペタ

(たいかいのひぶたはきられちゃって)

大会の火蓋は切られちゃって

(あざわらいあったひと)

嘲笑い合った人

(めをそらしたひと)

目を逸らした人

(きずになったひと)

傷になった人

(かいがみたいだね)

絵画みたいだね

(まじょりたまのるたあのみー)

マジョリタ・マノルタ・アノミー

(ただしさもまちがいも)

正しさも間違いも

(だれかしだい)

誰か次第

(おともだちのかずで)

お友達の数で

(とくてんにさをつけて)

得点に差をつけて

(おおごえでまくしたてる)

大声で捲し立てる

(まじょりたまのるたあのみー)

マジョリタ・マノルタ・アノミー

(なりやまないかっさいは)

鳴り止まない喝采は

(えきびょうのようで)

疫病のようで

(あぱしーなかれらにも)

アパシーな彼らにも

(ちゅうどくせいをあたえて)

中毒性を与えて

(こくばんはせいのじで)

黒板は正の字で

(うまっていく)

埋まっていく

(かたやてまえのえすさんは)

かたや手前のSさんは

(したをちっとならして)

舌をチッと鳴らして

(かたりはじめた)

語り始めた

(まえのほうがすきだった)

前の方が好きだった

(いまじゃもうみるかげすらもないな)

今じゃもう見る影すらもないな

(そんなのよりすぽっとらいとに)

そんなのよりスポットライトに

(てらされない)

照らされない

(あなくろにずむはしこうだ)

アナクロニズムは至高だ

(くりかえすそろもんどう)

繰り返すソロ問答

(まるでのろいみたいね)

まるで呪いみたいね

(だれかがすきかきらいかで)

誰かが好きか否かで

(むきかえるたいしゅうをみくだして)

向き変える大衆を見下して

(わたしはちがうとうすらわらった)

ワタシは違うと薄笑った

(にたひょうじょうがならんでることにも)

似た表情が並んでることにも

(きづかないで)

気づかないで

(まじょりたまのるたあのみー)

マジョリタ・マノルタ・アノミー

(かちがさがっている)

価値が下がっている

(ものだけをせれくしょん)

ものだけをセレクション

(あつめたてふだをだれかさんにみせつけて)

集めた手札を誰かさんに見せつけて

(ゆうえつかんでじこみたす)

優越感で自己満たす

(まじょりたまのるたあのみー)

マジョリタ・マノルタ・アノミー

(らんどるとかんがわにみえて)

ランドルト環が輪に見えて

(しまうくらいに)

しまうくらいに

(ぼやけきったしりょくじゃ)

ぼやけきった視力じゃ

(がらなんてわかんないから)

柄なんてわかんないから

(しろいがいのかーどしかえらべない)

白以外のカードしか選べない

(まじょりたまのるたあのみー)

マジョリタ・マノルタ・アノミー

(ひとのふりばかりみてたせいで)

人の振りばかり見てたせいで

(ごらくがなにか)

娯楽が何か

(うまくおもいだせなくなった)

上手く思い出せなくなった

(まつろがわたし)

末路が私

(まじょりたまのるたあのみー)

マジョリタ・マノルタ・アノミー

(かがみよかがみこたえてくれませんか)

鏡よ鏡 答えてくれませんか

(かれらかわたしかどちらになりたかった)

彼らか私か どちらになりたかった？

(うろこよごれでもうかおすらみえなかった)

ウロコ汚れで もう顔すら見えなかった