マチルダ先輩２【井上涼】

(きゃあ)

きゃあ～

(どうしたんですか)

どうしたんですか？

(みえたわあなたのろわれているわ)

見えたわ　あなた呪われているわ

(のろわれてるやっぱり)

呪われてる？やっぱり？

(ええとてもつよいのろいよ)

ええ。とても強い呪いよ

(そしてあなたのおうちにのろいのげんきょうがあるわ)

そしてあなたのお家に呪いの元凶があるわ

(わたしのおうちになにかしら)

私のお家に？なにかしら

(まるくてかたいなにかがあなたのおうちにありますね)

丸くて固いなにかがあなたのお家にありますね？

(まるくてかたいあっありますでもあれが)

丸くて固い？あっあります！でもあれが？

(それよそれをすぐにでもおはらいしなければ)

それよ、それをすぐにでもお祓いしなければ

(いまからおたくにうかがってもいいかしら)

今からお宅に伺ってもいいかしら？

(えっいまからなんかこわいよ～でもまぁいっか)

えっ今から？なんかこわいよ～でもまぁいっか

(じゃあいきましょうしゅっぱつ)

じゃあ行きましょう！出発！

(ついたここがわたしのおうちよ)

着いた！ここが私のお家よ

(さっそくおじゃまします)

早速お邪魔します

(へやきたないっ)

部屋…汚いっ！！！

(ごめんなさいのろいのせいかしら)

ごめんなさい。呪いのせいかしら…

(ところでまるくてかたいものあったよほら)

ところで丸くて固いもの、あったよ！ほら！

(これじゃないわ)

これじゃないわ

(えぇ)

えぇ

(うらないによるとこのほんだながあやしい)

占いによるとこの本棚が怪しい

(ほんだなが)

本棚が？

(えぇ)

えぇ

(ところでいーじーごーいんぐひめがぜんかんそろってるわね)

ところでイージーゴーイング姫が全巻揃ってるわね

(しってるの)

知ってるの？

(もちろんわたしのばいぶるだわ)

もちろん。私のバイブルだわ

(それはさておきうらないによるとこのほんだなのこのほんをさわると)

それはさておき占いによるとこの本棚のこの本を触ると

(わたしはのろいのつぼ)

私は呪いの壺

(のろいもしかしてあなたがのろいのげんきょう)

呪い？もしかしてあなたが呪いの元凶？

(えぇ)

えぇ。

(こんなつぼかったおぼえないわ)

こんな壺買った覚えないわ

(のろいはひとしれずやってくるの)

呪いは人知れずやってくるの

(つぼよどうしたらのろうのをやめてくれるの)

壺よ！どうしたら呪うのをやめてくれるの？

(のろいをおわらせるほうほうはひとつ)

呪いを終わらせる方法はひとつ。

(わたしをたたきわることよ)

私をたたき割ることよ

(そうすればあなたはふつうにくらせるでしょう)

そうすればあなたは普通に暮らせるでしょう

(どらいなのね)

ドライなのね

(でもこのつぼけっこうかわいいわたたきわるなんてできない)

でもこの壺結構可愛いわ。叩き割るなんて出来ない。

(そうねそれにもようがいろいろかわるのね)

そうね。それに模様が色々変わるのね

(えぇ)

えぇ。

(すてき)

…素敵！

(わたしはどちらでもよろしくてよ)

私はどちらでもよろしくてよ

(たたきわられてもこのままでも)

叩き割られても…このままでも…

(どうしようきめられない)

どうしよう。決められない

(じゃあかんがえているあいだおちゃでもいかが)

じゃあ考えている間お茶でもいかが？

(いただきます)

いただきます！！！

(はぁーいとぅ)

はぁーい！とぅ！

(ほんとふしぎなことばかり)

ほんと不思議なことばかり

(ふしぎついでにつぼのなかみをのぞいてもいい)

不思議ついでに壺の中身を覗いてもいい？

(えぇあっ)

えぇ。…あっ！

(なに)

なに？

(いーじーごーいんぐひめぜんかんそろってる)

イージーゴーイング姫全巻揃ってる

(ほんとだ)

ほんとだ！！

(しっているの)

知っているの？

(もちろんよ)

もちろんよ！！！

(ばいぶるだわ)

バイブルだわ

(ほんとわたしもだいすきなの)

ほんと？私も大好きなの

(うたいましょうあにめばんのいーじーごーいんぐひめえんでぃんぐてーま)

歌いましょう。アニメ版のイージーゴーイング姫エンディングテーマ

(えぇ)

えぇ

(うたうしかないわ)

歌うしかないわ

(あなたのことはなにひとつ)

あなたのことは何ひとつ

(じつはしらないかもしれないな)

実は知らないかもしれないな

(かんちがいかもしれない)

勘違いかもしれない

(こんないとおしさもぜんぶ)

こんな愛おしさも　全部

(でもわたしはすくわれた)

でもわたしは救われた

(あなたがくれたおちゃひとつ)

あなたがくれたお茶ひとつ

(でもわたしはすくわれた)

でもわたしは救われた

(おもいがけないながでんわ)

思いがけない長電話

(それはほんと)

それはほんと

(なんだかけっきょくわすれちゃう)

なんだか結局忘れちゃう

(うたもぷるこぎのあじもぜんぶ)

歌も　プルコギの味も　全部

(こどくはこどくつづくみたい)

孤独は孤独　続くみたい

(おもいからだひとつたずさえて)

重い体ひとつ携えて

(でもわたしはおぼえてるあたまのすみにかくしてる)

でも私は覚えてる　頭のすみに隠してる

(でもわたしはおぼえてるふとしたひょうしにおもいだす)

でも私は覚えてる　ふとした拍子に思い出す

(かいばとかががんばるはず)

海馬…？とかが頑張るはず

(じんせいとふたりきりときどきあなたとでさんにん)

人生と二人きり　時々　あなたとで三人

(じんせいとふたりきりときどきあなたがたとでよにん)

人生と二人きり　時々　あなた方とで四人

(それからというものわたしたちさんにんはなんとなくなかよくなりました)

それからというもの私たち三人は何となく仲良くなりました

(おわり)

おわり