【意味怖】特定屋 ＊概要欄に解説

(たいりょうのしゃしんがおくられてきてそのしゃしんのだいたいのばしょとくていしてほしいというもの)

大量の写真が送られてきて、その写真の大体の場所を

(とくていしてほしいというもの)

特定して欲しいというもの。

(ふつうはあかうんとをしていしてくるものだが)

普通はアカウントを指定してくるものだが…。

(さらにへんなのはそのがぞうがかこうされているってところ)

さらに変なのは、その画像が加工されているってところ。

(おそらくそこにじんぶつがうつっているのだろうがそこにもざいくがかかっていたり)

恐らくそこに人物が写っているのだろうが、そこにモザイクがかかっていたり、

(けされていたりしている)

消されていたりしている。

(でもこれじゃあいてがびじんかどうかわからない)

でも、これじゃ相手が美人かどうかわからない。

(いらいをうけるかどうかのきじゅんがはんだんできない)

依頼を受けるかどうかの基準が判断できない。

(あいてはけっこうなきんがくをていじしてきたがおれはきんでうごくわけではない)

相手は結構な金額を提示してきたが、俺は金で動くわけではない。

(ぽりしーがある)

ポリシーがある。

(おれはあいてのかおがしりたいとおくった)

俺は相手の顔が知りたいと送った。

(だがあいてはこのひとのじょうほうはおれだけがしりたい)

だが、相手はこの人の情報は、俺だけが知りたい。

(あなたにもしられたくないとかえってきた)

あなたにも知られたくないと返ってきた。

(それならいらいをうけることはできないとかえすとしぶしぶがぞうがおくられてきた)

それなら依頼を受けることはできないと返すと、渋々画像が送られてきた。

(たしかにものすごいびじんだ)

確かに、物凄い美人だ。

(ひとりじめにしたいきもちもわかる)

独り占めにしたい気持ちもわかる。

(おれはいらいをうけるとへんとうした)

俺は依頼を受けると返答した。

(このいらいはなんこうした)

この依頼は難航した。

(じんぶつのところがかこうされていたからじゅんすいにふうけいからひんとをえるしかない)

人物のところが加工されていたから、純粋に風景からヒントを得るしかない。

(じつはけっこうひとがうつっているぶぶんからひんとをえられることがおおいのだ)

実は結構、人が写っている部分からヒントを得られることが多いのだ。

(だけどたまにはこういうしばりもおもしろい)

だけど、たまにはこういう縛りも面白い。

(おれはいっしゅうかんをかけてそのばしょをとくていした)

俺は一週間をかけて、その場所を特定した。

(なんとおれのきんじょだったことに、すこしおどろいた)

なんと、俺の近所だったことに、少し驚いた。

(まさかきんじょにあんなびじんがすんでいたとは)

まさか、近所にあんな美人が住んでいたとは。

(そしておれはいらいぬしにばしょをしらせてほうしゅうをうけとった)

そして俺は、依頼主に場所を知らせて、報酬を受け取った。

(つぎのひのしごとがえり)

次の日の仕事帰り。

(おれがもよりえきからでたところだった)

俺が最寄り駅から出たところだった。

(いきなりびじんのおんながめのまえにたった)

いきなり、美人の女が目の前に立った。

(みたことがあるようなきがするがだれだかわからない)

見たことがあるような気がするが、誰だかわからない。

(いきなりおんなはないふをとりだしおれのはらをふかぶかとさした)

いきなり女はナイフを取り出し、俺の腹を深々と刺した。

(まわりからのひめいとうすれゆくいしきのなか)

周りからの悲鳴と、薄れゆく意識の中、

(おんなのあんたのせいでということばがきこえた)

女の「あんたのせいで…」という言葉が聞こえた。