愛執染着/かんてゐく

(むゆうびょうかんじゃはかたった)

夢遊病患者は語った

(いきさきもしらない)

行先も知らない

(へんあいのえころじー)

偏愛のエコロジー

(れいねんさいごだらたった)

例年最後だ　ラタッタ

(くらいめういめ)

暗い目　憂い目

(そらみぬかすむひと)

空見ぬ霞む人

(きゅうだいてんといつわって)

及第点と偽って

(またとないうんめい)

またとない運命

(しがみついて)

しがみついて

(あいして)

愛して

(とえて)

執えて

(そまって)

染まって

(きがえて)

着替えて

(あのしょうそうは)

あの焦燥は

(らいねんさいけんお)

来年再嫌悪

(べつにないてるわけじゃあるまいし)

別に泣いてるわけじゃ　あるまいし

(ただそばにいてだなんて)

「ただ傍に居て」だなんて

(いってないし)

言ってないし

(えごばっかみてないで)

エゴばっか見てないで

(あたしのきもちを)

あたしの気持ちを

(すこしはかんがえて)

少しは考えて

(ないのないの)

ないの　ないの？

(ほんとないの)

本当ないの？

(うそいつわりをたって)

嘘偽りを絶って

(すってはいて)

吸って吐いて

(もんだいないよ)

問題ないよ

(みてないよ)

見てないよ

(とわのあいをちかったまがいものどうしでしょう)

永遠の愛を誓った紛い物同士でしょう

(ふたつのあかせん)

2つの赤線

(にじんでとけてく)

滲んで　溶けてく

(みにくいだなんていわないで)

醜いだなんて言わないで

(おもちゃのつかいかたまちがっただけ)

玩具の使い方間違っただけ

(だれかなにがせいかいだか)

誰か　何が　正解だか

(おしえてくれればよかったのに)

教えてくれれば良かったのに

(しばってしつけて)

縛って　躾て

(ほだしてみだれて)

絆して　淫れて

(したってゆがんで)

慕って　歪んで

(これがあいならば)

これが愛ならば

(うれいてさけんであがいた)

憂いて　叫んで　足掻いた

(よせいはあなたといきるときめてしまったので)

余生は貴方と生きると決めてしまったので

(ゆるしてごめんね)

「許して」　「ごめんね」

(ばかだねあたしも)

馬鹿だね　あたしも

(こんなことばでゆるしてしまえるのが)

こんな言葉で許してしまえるのが

(だめってわかっているのになんで)

駄目って　分かって　いるのに　なんで

(かさねあわせてみて)

重ね合わせてみて

(ほら)

ほら

(みえてくるはず)

見えてくるはず

(えてかってっていわないで)

得手勝手って言わないで

(ふたりどうざいだってわかるでしょ)

2人同罪だって分かるでしょ

(ああはいたさいがないておちてきえたら)

嗚呼　吐いた　債が　泣いて　落ちて　消えたら

(おなじようにあたしすらすてるでしょ)

同じ様に　あたしすら捨てるでしょ

(しばってしつけてほだしてみだれてしたってゆがんで)

縛って　躾て　絆して　淫れて　慕って　歪んで

(これがあいならば)

これが愛ならば

(うれいてさけんであがいた)

憂いて　叫んで　足掻いた

(よせいはあなたといきるときめてしまったので)

余生は貴方と生きると決めてしまったので

(ゆるしてごめんね)

「許して」　「ごめんね」

(ばかだねあたしも)

馬鹿だね　あたしも

(こんなことばでゆるしてしまえるのが)

こんな言葉で許してしまえるのが

(だめってわかっているのになんで)

駄目って　分かって　いるのに　なんで

(ふくんであそんでひらいてくるってなぐってこわして)

含んで　遊んで　開いて　狂って　殴って　壊して

(それもあいならば)

それも愛ならば

(しらべてさがしてみつけたりせいは)

調べて探して見つけた理性は

(あなたをみとるとさしてしまったので)

貴方を看取ると刺してしまったので

(ゆるしてごめんね)

「許して」　「ごめんね」

(ばかだねあなたも)

馬鹿だね　貴方も

(とびらがあるならきえればよかったのに)

扉があるなら消えればよかったのに

(なんでなんでなんでなんで)

なんで？なんでなんでなんで

(しばってしつけてほだしてみだれてしたってゆがんで)

縛って　躾て　絆して　淫れて　慕って　歪んで

(ゆえにあいならば)

故に愛ならば

(しばってしつけてほだしてみだれてしたってゆがんで)

縛って　躾て　絆して　淫れて　慕って　歪んで

(こわしてこわしてふくんであそんでひらいてくるってなぐって)

壊して　壊して　含んで　遊んで　開いて　狂って　殴って

(あいしてあいしてこわれて)

愛して　愛して　壊れて