ふたりは、ハニームーンにいくの。/Haniwa

(はくばわたしたちをつれていってくれにじのついに)

白馬、私達を連れていってくれ、虹の終に。

(そこでしあわせなけっこんしきを)

そこで幸せな結婚式を。

(あくむはあさにはさめるから)

悪夢は朝には醒めるから。

(もうなかないでなみだふいて)

もう泣かないで。涙拭いて。

(このままふたりで)

このままふたりで、

(はにーむーんにいこう)

ハニームーンにいこう。

(そうしてはしりはじめたうまはちをふいて)

そうして走り始めた馬は血を噴いて、

(あなたもぜんぜんわらってなんかいないのは)

貴方も全然笑ってなんかいないのは、

(こっちをふりむかなくたってしっている)

こっちを振り向かなくたって知っている。

(すべてがわたしたちをこわすときめたから)

全てが、私達を壊すと決めたから。

(りょこうかばんはそんなこともしらないで)

旅行鞄はそんなことも知らないで、

(いまだゆくさきをたのしみにゆれている)

未だ行く先を楽しみに揺れている。

(わたしはみずでっぽうをとりだしていた)

私は、水鉄砲を取り出していた。

(ばかみたいにふりまわして)

馬鹿みたいに振り回して。

(こっちにくるなとないていた)

こっちに来るなと泣いていた。

(あいしたかぜをおしえるよ)

愛した風を教えるよ。

(きみににあうから)

君に似合うから！

(きたいどれすをつめこんで)

着たいドレスを詰め込んで。

(げんかんをすきっぷで)

玄関をスキップで！

(がらすのくつはあしからおちないように)

ガラスの靴は、足から落ちないように！

(どうかあなただけでもいいついていてくれにじのはしに)

どうか、貴方だけでもいい、着いていてくれ、虹の橋に。

(そこではちいさなけっこんしきが)

そこでは小さな結婚式が。

(あめがあすにはやむのなら)

雨が明日には止むのなら。

(もうこれいじょうはのぞまないよ)

もうこれ以上は望まないよ。

(そうしてふたりは)

そうしてふたりは、

(はにーむーんにいくの)

ハニームーンにいくの。

(しあわせなべるはしゅくふくをしらせます)

幸せなベルは、祝福を知らせます。

(かわいらしいてんしたちがふたりのこうふくをやくそくします)

可愛らしい天使たちが、ふたりの幸福を約束します。

(でいじーはこのおとのなるのがだいすきでした)

デイジーはこの音の鳴るのが大好きでした。

(でもかのじょはひとつふしぎにおもっていました)

でも彼女は、ひとつ不思議に思っていました。

(しあわせははたしてあくにんにもあたえられますでしょうか)

「幸せは、果たして悪人にも与えられますでしょうか？」

(さいれんがふくしゅうをしらせます)

サイレンが、復讐を知らせます。

(とうぞくをころせとさけびます)

盗賊を殺せと叫びます。

(ひゆれるおかまであとすこし)

陽揺れる丘まで、あと少し。

(きみにあげるおうかん)

君にあげる桜冠。

(きにいってくれるかな)

気に入ってくれるかな。

(わらわないでいえるかな)

……笑わないで、言えるかな。

(しずめどもやまぬ)

沈めども止まぬ。

(かけてもかけてもほら)

駆けても、駆けても。ほら。

(いよいよふたりはわらうのわらうの)

愈々ふたりは、笑うの、笑うの。

(はくばはあしがおれ)

白馬は足が折れ、

(ふたりは)

ふたりは。

(えいえんをちかうの)

永遠を誓うの。

(あいしたはなをおしえてよ)

愛した花を教えてよ、

(わすれないから)

忘れないから。

(したいおはなしをつめこんで)

したいお話を詰め込んで！

(おしまいへはすきっぷで)

お終いへはスキップで、

(だいすきなこのてはもうはなさないから)

大好きなこの手は、もう離さないから！！！

(あいしたかぜをおしえるよ)

愛した風を教えるよ。

(きみににあうから)

君に似合うから！

(きたいどれすをつめこんで)

着たいドレスを詰め込んで。

(げんかんをすきっぷで)

玄関をスキップで！

(がらすのくつはあしからおちないように)

ガラスの靴は、足から落ちないように！

(ゆけ)

行け

(ゆけ)

行け

(ゆけ)

行け

(ゆけ)

行け

(ゆけ)

行け

(とおくまで)

遠くまで