夢のまた夢／まふまふ

(あまいものほどとける)

甘いものほど溶ける

(それがこいだっけ)

それが恋だっけ？

(くちさみしいや)

口寂しいや

(わたがしをひとつかっていこう)

綿菓子（わたがし）をひとつ買っていこう

(わかなえのそで)

若苗（わかなえ）の袖

(そらになげたこいぶみ)

空に投げた恋文

(あのげたばこは)

あの下駄箱は

(わらいかたのくずかご)

笑い方のくずかご

(うつぶしいろながかみが)

空五倍子色（うつぶしいろ）長髪が

(ゆれるはくめいてまねいて)

揺れる薄明　手招いて

(くちかずもへるけいだい)

口数も減る境内

(なくしたものばかりかぞえている)

失くしたものばかり数えている

(よまいもうそうに)

世迷い妄想に

(ゆめのまたゆめかみはてぬゆめ)

夢のまた夢か見果てぬ夢

(みなしごとぱぱにうとまれたこ)

みなしごとパパに疎まれた子

(やみよほどほしがきれいなこと)

闇夜ほど星が綺麗なこと

(ねえしってる)

ねえ知ってる

(さかゆめのままに)

逆夢（さかゆめ）のままに

(おどれおどれ)

踊れ踊れ

(ぼくらがぼくらでいられるまで)

ボクらがボクらでいられるまで

(なりふりかまわずてをたたけ)

形振り（なりふり）構わず　手を叩け

(いつのひかこのゆめがさめるまでは)

いつの日かこの夢が　覚めるまでは

(きんぎょすくいですくえるようないのちは)

金魚すくいで　救えるような命は

(だれかすくってくれだなんて)

誰かすくってくれだなんて

(おもっていた)

思っていた

(そうだ)

そうだ

(だれかのすきなだれかになって)

誰かの好きな誰かになって

(いわれるままにおとなになって)

言われるままに大人になって

(それでもわからないまま)

それでもわからないまま

(どうしてなみだがとまらないんだろう)

どうして　涙が止まらないんだろう

(わすれたものりんごあめ)

わすれたもの林檎飴（りんごあめ）

(みずにおりたつつきのかげ)

水に降り立つ　月の影

(かがみごしにちるはなび)

鏡越しに散る花火

(さわれぬものばかりさがしている)

触れぬものばかり　探している

(よまいもうそうに)

世迷い妄想に

(もういいよもういいよ)

もういいよ　もういいよ

(うかんではてらしては)

浮かんでは　照らしては

(すいこまれる)

吸い込まれる

(つつやみいろのなつぞら)

惣闇色（つつやみいろ）の夏空

(ばいばい)

（バイバイ）

(ゆめのまたゆめかみはてぬゆめ)

夢のまた夢か見果てぬ夢

(こんなごみのようなせかいでも)

こんなゴミのような世界でも

(ぼくはすきですきですきで)

ボクは好きで好きで好きで

(すきですきでたまらない)

好きで好きで　たまらない

(おどれおどれさあおどれおどれ)

踊れ踊れ　さあ踊れ踊れ

(なにもかもすべてわすれさせて)

何もかもすべて忘れさせて

(なりふりかまわずてをたたけ)

形振り（なりふり）構わず手を叩け

(いつのひかこのゆめがさめるまでは)

いつの日かこの夢が覚めるまでは

(ゆめのむこうでゆめをさがしている)

夢の向こうで夢を探している