九龍レトロ　タイピング

(いほうけんちくぶかっこうくもまをこえはえるかいじょう)

違法建築　不格好　雲間を越え生える階上

(みつばいのとりでにはっぽうくろがんたいまいたがいこつ)

密売の砦に発砲 黒眼帯巻いた骸骨

(いさんそうぞく)

遺産相続

(いとてきなさっしょうろうばごやにせまるまいそう)

意図的な殺傷 老婆小屋に迫る埋葬

(とうようにすくうましょうのとう)

東洋に巣食う魔性の塔

(かみおろしぎしきみっきょうしんこうしゅうきょう)

神降ろし儀式　密教　新興宗教

(おとをたておちるてんじょうもくせいぎしゅつめるやっきょう)

音を立て落ちる天井 木製義手　詰める薬莢

(いまだないていないあかんぼう)

未だ泣いていない赤ん坊

(きょうだってうなってさえずったざんきょう)

今日だって唸って　囀った残響

(がねーしゃぞうにむらがったしんじゃはかあらしとるしゅせんど)

ガネーシャ像に群がった信者　墓荒らし　盗る守銭奴

(とうようにひそむましょうのとうここはここいがいでありえない)

東洋に潜む魔性の塔 此処は此処以外で在り得ない

(ふかんぜんはんざいえんざいめにあまるまやくさいばい)

不完全犯罪　冤罪　目に余る麻薬栽培

(あんぜんさくせんのうらくたん)

安全策　洗脳　落胆

(さいしんえんにてんらくさせたやせこけたいぬは)

最深淵に転落させた痩せこけた犬は

(きっとしんだ)

きっと　死んだ

(ぼうりがいあくおえつおうとかたむいたていとしがいこわれたちじょう)

暴利　害悪　嗚咽　嘔吐 傾いた帝都市街　壊れた地上

(がんじがらめにくさるたいないでめをさませ)

雁字搦めに　腐る胎内で 眼を醒ませ

(さえよにんげんもうじかんだうたがいのないごくさいこのろうかく)

冴えよ人間　もう時間だ 疑いのない極彩　この楼閣

(うちこわせうちこわせ)

打チ壊セ　打チ壊セ

(いますぐに)

今すぐに

(したいいきかえるけっそうえぐりぬいたちていめいきゅう)

死体遺棄　変える血相 抉り抜いた　地底迷宮

(たかだいにたてるまてんろうこどもたちのしずむどうようのせんりつ)

高台に建てる摩天楼 子供たちの沈む童謡の旋律

(みせものげいにてをたたくぐんしゅうあくいからまるぼうげん)

見世物芸に手を叩く群衆 悪意絡まる暴言

(うごきとめたきみのしんぞうでもまわりつづけるせかいなんだろう)

動き止めた君の心臓 でも廻り続ける世界なんだろう

(まぎれもなくすばらしいまいにちですべてがくるっていたけれど)

紛れもなく 素晴らしい毎日で 全てが狂っていたけれど

(ただなにかがたりなかったんだ)

ただ　何かが 足りなかったんだ

(さいちかいかくきがいぞんしょうしめきってかんよしない１１５かい)

才知　改革　飢餓　依存症 閉め切って関与しない　115階

(なにもかえられないのならばちをながせ)

何も変えられないのならば 血を流せ

(さけべにんげんもうじかんだきんこうはじょうしきがいのあじをしる)

叫べ人間　もう時間だ 均衡は常識外の　味を知る

(てをあげろてをあげろ)

手ヲ挙ゲロ　手ヲ挙ゲロ

(みないっせいに)

皆一斉に

(だいだんえんでさけるそらにおまえのころしたたいようはあるか)

大団円で　裂ける空に お前の殺した　太陽はあるか

(さいしゅうしょうでまくおろすならそのぎせいはだれだ)

最終章で　幕降ろすなら その犠牲は誰だ

(あんどたいらくきげきくうそうあまりにもかいきなきゅうしがいのくいき)

安堵　頽落　喜劇　空想 余りにも怪奇な　旧市街の区域

(こんなゆうがないちにちなのにしにそびれ)

こんな優雅な　一日なのに 死にそびれ

(なくなにんげんもうじかんだこのとうのさいじょうかいしゅうえんのち)

泣くな人間　もう時間だ この塔の最上階　終焉の地

(かけのぼれかけのぼれいま)

駆ケ登レ　駆ケ登レ　今

(ひめいをあげたら)

悲鳴を上げたら

(ぼうりがいあくおえつおうとかたむいたていとしがいこわれたちじょう)

暴利　害悪　嗚咽　嘔吐 傾いた帝都市街　壊れた地上

(がんじがらめにくさるたいないでめをさませ)

雁字搦めに　腐る胎内で 眼を醒ませ

(さえよにんげんもうじかんだ)

冴えよ人間　もう時間だ

(げかいをみおろしたわらいながら)

下界を見下ろした 笑いながら

(みをなげろみをなげろ)

身ヲ投ゲロ　身ヲ投ゲロ

(いま)

今