進撃の巨人(紅蓮の座標）

(かりうどだとうそぶいたおまえはうえたけもの 「なれあうくらいならしんだほうがましだ」)

狩人だと嘯いた お前は飢えた獣 「馴れ合うくらいなら 死んだ方がマシだ」

(とほえた)

と吠えた

(ちにまみれたかばねのひかりなきひとみがいる 「きばをなくすのならいずれうらむだろう」と)

血に塗れた屍の 光無き瞳が射る 「牙を失くすのなら いずれ恨むだろう」と

(うたう)

唄う

(ふじょうりなもんさおれたちは )

不条理なもんさ 俺たちは

(ちいさなしょうりでさえ ひきかえるにはあまりにもおおきな（りすく）をせおわされる)

小さな勝利でさえ 引き換えるには 余りにも大きな(リスク)を背負わされる

(いぬじにしたいわけじゃない・・・なぁ・・・しんでもしにきれないだろ？)

犬死にしたい訳じゃない… なぁ… 死んでも死にきれないだろ？

(このいしはむだじゃないこのままじゃおわらせない)

この遺志は 無駄じゃない このままじゃ 終わらせない

(やつらをねだやしにするまでは・・・・・・ )

奴等 を根絶やしにする迄は……

(このうつくしいざんこくなせかいでは)

この美しい残酷な世界ではーー

(ゆうやみにそまるのはひょうてきかおのれか)

夕闇に染まるのは 標的か己か

(ゆみなりにひけとびえものをほふれいぇーがー)

弓なりに弾け飛び獲物を屠れイェーガー

(たそがれにはなたれたほとばしる（さつい）が)

黄昏に放たれた 迸る(殺意)が

(むれをなしうがつのはーー)

群を成し穿つのはーー

(ぐれんのざひょう)

紅蓮の座標

(らくえんをさまよえるあわれなひとかげ)

楽園を彷徨える 哀れな人影

(かれらにもたいせつなだれかがいただろう)

彼らにも 大切な 誰かがいただろう

(しんじつをもとめてもいびつながらすは)

真実を求めても 歪な硝子は

(ことなったきょぞうをうつすのぞきこむかおのかずだけ)

異なった虚像を映す 覗き込む顔の数だけ

(ふごうりなもんさ（げんじつ）はわずかなこうきでさえ)

不合理なもんさ (現実)は 僅かな好機でさえ

(てにいれるにはあまりにもかじょうな（こすと）をはらわされる)

手に入れるには 余りにも過剰な (コスト)を払わされる

(いぬじにさせたままじゃ・・・なぁ・・・くいてもくいたりないだろ？)

犬死させたままじゃ… なぁ… 悔いても悔い足りないだろ？

(このいしよときをこえなんどでもうけつがれ)

この意志よ 時を超え 何度でも 受け継がれ

(そのみちをむくわれるまですすめ・・・・・・)

その道を報われるまで進め……

(このうつくしいざんこくなせかいではーー)

この美しい残酷な世界ではーー

(ゆうぐれにゆれるのはかなしみかぞうおか)

夕暮れに揺れるのは 哀しみか憎悪か

(あがなえぬつみをいだきえものをほふるくるーがー)

購えぬ罪を抱き獲物を屠るクルーガー

(あこがれにのろわれたとめどなきさついが)

あこがれに呪われた止めどなき殺意が

(なをかえてたどるのはーー)

名を変えて辿るのはーー

(ぐれんのざひょう)

紅蓮の座標

(ほえることしかできなかったあのひのしょうねんはぶきをとりおおくのなかまをえた)

吠えることしか出来なかったあの日の少年は武器を取り多くの仲間を得た

(いずれしんげきのこうしはしゃようのそらをつらぬく)

いずれ 進撃の嚆矢は 斜陽の空を貫く

(（ざひょう）めがけて！)

(座標)めがけて！