花簪 HANAKANZASHI

(はなかんざしのうつくしゅうておもいだす)

花簪の美しゅうて　思い出す

(ふたりながめたきょうのこころ)

ふたり眺めた　京のこころ

(はるのそらにさきほころんださくらむねはずませて)

春の空に　咲きほころんだ桜　胸はずませて

(なつのあめにぬれてかおるあじさいはなみだ)

夏の雨に　濡れて香る紫陽花は　なみだ

(いまこんちきちん)

いま　こんちきちん

(こんちきちん)

こんちきちん

(まつりばやしがおこしやす)

祭囃子がおこしやす

(おつきさまはんなりとゆめてらして)

お月様　はんなりと　夢照らして

(こんちきちん)

こんちきちん

(こんちきちん)

こんちきちん

(あわいひかりにてをのばす)

淡い光に手を伸ばす

(つぎにあえるのはああいつのひか)

次に会えるのは　あゝ　いつの日か

(はなかんざしのなつかしゅうてかぞえたら)

花簪の懐かしゅうて　数えたら

(あざやかにまうきょうのきおく)

鮮やかに舞う　京の記憶

(あきのかぜにおどりまわるもみじくちびるよせて)

秋の風に　踊りまわる紅葉　唇寄せて

(ふゆのゆきにしのびさいたかんぎくのつよさ)

冬の雪に　忍び咲いた寒菊の　強さ

(いまこんちきちん)

いま　こんちきちん

(こんちきちん)

こんちきちん

(まつりばやしがとおざかる)

祭囃子が遠ざかる

(ともしびぼんやりとゆれている)

灯火　ぼんやりと　揺れている

(こんちきちん)

こんちきちん

(こんちきちん)

こんちきちん

(おもいをのせてふみをかく)

想いをのせて文を書く

(うめのさくころにまたあえるように)

梅の咲くころに　また　会えるように

(あのきせつにもう)

あの季節に　もう

(あえないのだとしたら)

会えないのだとしたら

(ながいゆめから)

長い夢から

(さめてしまうようで)

覚めてしまうようで

(いまこんちきちん)

いま　こんちきちん

(こんちきちん)

こんちきちん

(まつりばやしがおこしやす)

祭囃子がおこしやす

(おつきさまはんなりとゆめてらして)

お月様　はんなりと　夢照らして

(こんちきちん)

こんちきちん

(こんちきちん)

こんちきちん

(しきにうつしたいつくしみ)

四季に映した愛しみ

(であいとわかれをああくりかえす)

出会いと別れを　あゝ　繰りかえす

(つぎのせんねんへゆめをつむいで)

次の千年へ　夢を紡いで