アイムハイ

(たちどまったきみのなみだすみっこでさびしくわすれられ)

立ち止まった君の涙隅っこで寂しく忘れられ

(いたがったいみもないなしめっぽいこころにたすけあれ)

痛がった意味もないな湿っぽい心に助けあれ

(きみよ、うがて、あたりまえみたいにこわばったじょうたいを。)

君よ、穿て、当たり前みたいに強張った情態を。

(くだけ、いきをすうみたいにつちかったこうかいを。)

砕け、息を吸うみたいに培った後悔を。

(かしこまったきみのなみだはまったくみごとにわすれられ)

畏まった君の涙は全く見事に忘れられ

(きわだったいみもないなかれっぽいこころにさちよ、あれ)

際立った意味もないな枯れっぽい心に幸よ、あれ

(きみよ、うばえ、あのこがいのちがけでまもったじょうあいを。)

君よ、奪え、あの子が命懸けで守った情愛を。

(さらえ、あのこのせいそなめをうばったこうさいを。)

攫え、あの子の清楚な目を奪った光彩を。

(ざくろみたいにうれきったまっかなきずぐちのなかみを)

柘榴みたいに熟れ切った真っ赤な傷口の中身を

(ぜんっぶ、そっくりきみにさしだしたい)

全っ部、そっくり君に差し出したい

(いらないな)

要らないな

(ちかいあってつむいだゆめのつづきもいらないな)

誓いあって紡いだ夢の続きも要らないな

(わらいあってつくったおもいでも)

笑いあって作った思い出も

(そうさ！)

そうさ！

(あってさいてすってはいてしってないて)

遭って咲いて吸って吐いて知って泣いて

(さんざつないだておいのあいじょうをいま、)

さんざ絆いだ手負いの愛情を今、

(わすれちゃってくだらなくわらってみよー！)

忘れちゃってくだらなく笑ってみよー！

(はれあがったきみのまぶたまるっきりつめたくわらわれて)

腫れあがった君の瞼まるっきり冷たく笑われて

(ひあがってしかたないなここのところのこころのそこ)

干上がって仕方ないなここのところのこころのそこ

(きみよ、ころせ、あたりまえみたいにひえきったちょうあいを。)

君よ、殺せ、当たり前みたいに冷え切った寵愛を。

(かわせ、いきをすうみたいにとりこんだじゅうたいを。)

躱せ、息を吸うみたいに取り込んだ重態を。

(そのこといっしょうあゆむのですか？)

その子と一生歩むのですか？

(そのこたえをいっしょうかたるのですか？)

その答えを一生騙るのですか？

(ふっきれたようなききおぼえのあるなきごえあげて)

吹っ切れたような聞き覚えのある泣き声上げて

(そのこたえがほんしょうなのですか？ )

その答えが本性なのですか？

(あわれっぽくあれきったまっくろいきずぐちのなかみをぜんっぶ、)

哀れっぽく荒れ切った真っ黒い傷口の中身を全っ部、

(そっくりここへかきだしたい)

そっくりここへ掻き出したい

(いえないな、りそうろんにそまったゆめのおわりも)

言えないな、理想論に染まった夢の終わりも

(きえないな、かわいそうにみのったおもいいれも)

消えないな、可哀想に実った思い入れも

(そうさ！)

そうさ！

(あってさいてすってはいてしってないて)

遭って咲いて吸って吐いて知って泣いて

(さんざつむいだふざけたぐうぞうをいま、)

さんざ紡いだふざけた偶像を今、

(みすてちゃってつまらなくわらってみよ－ )

見捨てちゃってつまらなく笑ってみよ-

(ちぢこまったきみのからだはすっかりつめたくかわりはて)

縮こまった君の体はすっかり冷たく変り果て

(よりそったいみはないが、おわってくきみのゆめをのせて)

寄り添った意味はないが、終わってく君の夢を乗せて

(いきよう。)

生きよう。