オリジナル呼吸 文字の呼吸20
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(じゅうくのかた:しんしょ・てんめいばんせいろく)
拾玖の型:神書・天命万世録
(がいよう:もじのこきゅうにおけるみらいかんそく・うんめいきじゅつがた。)
概要:文字の呼吸における未来観測・運命記述型。
(じゅうはちのかたが、むすうのもじからせいめいをうみだすかただったのにたいし、)
拾捌の型が、無数の文字から生命を生み出す型だったのに対し、
(じゅうくのかたでは、もじによってまだおきていないできごとをきじゅつする。)
拾玖の型では、文字によってまだ起きていない出来事を記述する。
(しようしゃは「ばんしょうそうてん」のさらにふかいそうにそんざいするしんしょをひらき、)
使用者は「万象創典」のさらに深い層に存在する神書を開き、
(はねぺんでみらいにおこりえるできごとをかきしるす。)
羽ペンで未来に起こり得る出来事を書き記す。
(ただし、みらいをかんぜんにけっていするわけではない。)
ただし、未来を完全に決定するわけではない。
(このかたがあつかうのは、あくまでかのうせいのたかいみらい。)
この型が扱うのは、あくまで可能性の高い未来。
(たとえば、うほうよりかみなりがおちるとかけば、)
例えば、右方より雷が落ちると書けば、
(そのじょうきょうへむかってげんじつがしゅうそくしやすくなる。)
その状況へ向かって現実が収束しやすくなる。
(てきのあしもとにきれつがしょうじるとしるせば、)
敵の足元に亀裂が生じると記せば、
(ちけいやじょうきょうがそのぶんしょうへちかづいていく。)
地形や状況がその文章へ近づいていく。
(そのためじゅうくのかたは、みらいをよちするわざではなく、)
そのため拾玖の型は、未来を予知する技ではなく、
(みらいのかのうせいをぶんしょうによってひきよせるわざとなっている。)
未来の可能性を文章によって引き寄せる技となっている。
(とくちょう:みらいにおこりえるできごとをぶんしょうとしてきじゅつできる。)
特徴:未来に起こり得る出来事を文章として記述できる。
(かいたないようのじつげんかくりつをたかめることができる。)
書いた内容の実現確率を高めることができる。
(せんとうちゅうのすうびょうさきから、ながければすうふんさきまでのみらいにかんしょうできる。)
戦闘中の数秒先から、長ければ数分先までの未来に干渉できる。
(よそくとゆうどうをどうじにおこなえる。)
予測と誘導を同時に行える。
(あいてのこうどうをよそくし、それにあわせたぶんしょうをかくこともかのう。)
相手の行動を予測し、それに合わせた文章を書くことも可能。
(しようしゃじしんがしらないじょうほうをかんぜんにえることはできない。)
使用者自身が知らない情報を完全に得ることはできない。
など
(かのうせいのひくいみらいほど、じつげんさせるためのしょうもうがおおきくなる。)
可能性の低い未来ほど、実現させるための消耗が大きくなる。
(あまりにもむじゅんしたないようをかくと、じゅつしきがほうかいする。)
あまりにも矛盾した内容を書くと、術式が崩壊する。
(じゅうくのかたいこうのうんめいけいのかたのきそとなる。)
拾玖の型以降の運命系の型の基礎となる。
(とくにつよいのは、てきがつぎになにをするかではなく、)
特に強いのは、敵が次に何をするかではなく、
(そのつぎになにがおこるかのうせいがたかいかまでぶんしょうかできること。)
その次に何が起こる可能性が高いかまで文章化できること。
(はつどうえんしゅつ:しようしゃはしずかに「ばんしょうそうてん」をとじる。)
発動演出:使用者は静かに「万象創典」を閉じる。
(そしてほんのひょうしへはねぺんをおく。)
そして本の表紙へ羽ペンを置く。
(するとひょうしのりゅうもんがこがねいろにひかり、)
すると表紙の龍紋が黄金色に光り、
(ちゅうおうからいっさつのうすいしろがねいろのほん、しんしょがうかびあがる。)
中央から一冊の薄い白銀色の本、神書が浮かび上がる。
(ぺーじをひらくと、そこにはまだなにもかかれていない。)
ページを開くと、そこにはまだ何も書かれていない。
(しようしゃがさいしょのいちぶんをかく。)
使用者が最初の一文を書く。
(「かぜ、やむ。」かいたしゅんかん、しゅういのかぜがじょじょによわまっていく。)
「風、止む。」書いた瞬間、周囲の風が徐々に弱まっていく。
(つづいて、「てき、ひだりへふみこむ。」としるす。)
続いて、「敵、左へ踏み込む。」と記す。
(するとてきのうごきが、そのぶんしょうにすいよせられるようにひだりがわへかたむいていく。)
すると敵の動きが、その文章に吸い寄せられるように左側へ傾いていく。
(しようしゃはみらいのかのうせいをよみとりながら、つぎつぎとぶんしょうをかきこむ。)
使用者は未来の可能性を読み取りながら、次々と文章を書き込む。
(いちぶんかくたびに、そのぶんしょうがあおじろいひかりもじとなって、)
一文書くたびに、その文章が青白い光文字となって、
(ぺーじからうきあがり、くうちゅうへならんでいく。)
ページから浮き上がり、空中へ並んでいく。
(やがてふくすうのみらいこうほがどうじにてんかいされ、)
やがて複数の未来候補が同時に展開され、
(もしものみらいがいくつもかさなったようなこうけいがあらわれる。)
もしもの未来がいくつも重なったような光景が現れる。
(しようしゃはそのなかからひとつをえらび、さいごのいちぶんへはねぺんをいれる。)
使用者はその中から一つを選び、最後の一文へ羽ペンを入れる。
(するとえらばれたみらいだけがつよくはっこうし、ほかのみらいがしへんのようにくだけちる。)
すると選ばれた未来だけが強く発光し、他の未来が紙片のように砕け散る。
(そのしゅんかん、せんたくされたみらいがげんじつへしゅうそくする。)
その瞬間、選択された未来が現実へ収束する。
(みため:はつどうちゅうは、しようしゃのしゅういにむすうのはんとうめいなぺーじがうかぶ。)
見た目:発動中は、使用者の周囲に無数の半透明なページが浮かぶ。
(ぺーじにはげんざいのせんじょうではおきていないできごとがぶんしょうとしてしるされており、)
ページには現在の戦場では起きていない出来事が文章として記されており、
(かかれたないようにおうじてみらいのじょうけいがうすくうつしだされる。)
書かれた内容に応じて未来の情景が薄く映し出される。
(ひとつのぺーじにはかみなり。)
一つのページには雷。
(べつのぺーじにはくずれるじめん。)
別のページには崩れる地面。
(さらにべつのぺーじにはてきがかいひするすがた。)
さらに別のページには敵が回避する姿。
(というように、ふくすうのみらいがどうじにうかびあがる。)
というように、複数の未来が同時に浮かび上がる。
(ぺーじどうしはこがねいろのこうしでつながり、きょだいなじゅけいずのようなこうぞうをけいせいする。)
ページ同士は黄金色の光糸で繋がり、巨大な樹形図のような構造を形成する。
(そのちゅうしんにはきょだいなしろがねいろのほんがうかび、)
その中心には巨大な白銀色の本が浮かび、
(ひょうしにはてんびんとりゅうをくみあわせたもんしょうがきざまれている。)
表紙には天秤と龍を組み合わせた紋章が刻まれている。
(みらいがひとつにきまるしゅんかん、むすうのぺーじがいっせいにとじ、)
未来が一つに決まる瞬間、無数のページが一斉に閉じ、
(えらばれたいっぺーじだけがのこる。)
選ばれた一ページだけが残る。
(そのぺーじからはなたれたひかりがげんじつのくうかんへひろがり、)
そのページから放たれた光が現実の空間へ広がり、
(かかれたみらいとげんざいがかさなる。)
書かれた未来と現在が重なる。
(ゆらい:しんしょとは、かみがみらいやてんめいをしるしたとされるしんせいなしょもつをいみする。)
由来:神書とは、神が未来や天命を記したとされる神聖な書物を意味する。
(てんめいは、てんからあたえられたうんめいやしめい。)
天命は、天から与えられた運命や使命。
(ばんせいは、はてしなくつづくながいせだい、みらい。)
万世は、果てしなく続く長い世代、未来。
(ろくは、それらをきろくすること。)
録は、それらを記録すること。
(このかたのけんきゅうがはじまったきっかけは、もじのこきゅうのけいしょうしゃがふるいきろくのなかから、)
この型の研究が始まったきっかけは、文字の呼吸の継承者が古い記録の中から、
(「かこはもじでのこせる。ならばみらいももじでしるせるのではないか」)
「過去は文字で残せる。ならば未来も文字で記せるのではないか」
(といういっせつをはっけんしたこと。)
という一節を発見したこと。
(そこからみらいをちょくせつそうさするのではなく、)
そこから未来を直接操作するのではなく、
(かのうせいをぶんしょうとしてかんそくするぎじゅつがけんきゅうされた。)
可能性を文章として観測する技術が研究された。
(やがて、「みらいとはひとつではなく、むすうのぶんしょうが、)
やがて、「未来とは一つではなく、無数の文章が、
(どうじにそんざいしているじょうたいなのではないか」というりろんへとうたつ。)
同時に存在している状態なのではないか」という理論へ到達。
(それぞれのかのうせいをぺーじとしててんかいし、)
それぞれの可能性をページとして展開し、
(そのなかからひとつをせんたくしてげんじつへちかづけるぎじゅつがかんせいした。)
その中から一つを選択して現実へ近づける技術が完成した。
(このかたによってもじのこきゅうは、もじをあやつる、せかいをしるす、)
この型によって文字の呼吸は、文字を操る、世界を記す、
(せいめいをつくる、みらいのかのうせいをしるすというだんかいまでしんかする。)
生命を創る、未来の可能性を記すという段階まで進化する。
(そしてじゅうくのかたは、つぎのにじゅうのかたへつながる、)
そして拾玖の型は、次の弐拾の型へ繋がる、
(うんめいをものがたりとしてあつかうためのいりぐちとなる。)
運命を物語として扱うための入口となる。