トランプ　奥華子

(つきあかりがまどのすみで)

月明かりが　窓の隅で

(ぼくときみをのぞくみたいに)

僕と君を覗くみたいに

(しずかなへやのなかれいぞうこのおと)

静かな部屋の中　冷蔵庫の音

(ひくくちいさくひびいていた)

低く小さく響いていた

(きみはとつぜんべっどからおきて)

君は突然　ベッドから起きて

(とらんぷでもしようといってきたんだ)

トランプでもしようと言ってきたんだ

(ねむれないのならてれびでもみればと)

眠れないのなら　テレビでも見ればと

(ぼくはかべによってせをむけていた)

僕は壁に寄って背を向けていた

(きみはなにをみてなにをおもって)

君は何を見て　何を思って

(ぼくのとなりにいたのだろう)

僕の隣にいたのだろう

(おもえばあのころからぼくたちは)

思えばあの頃から僕たちは

(きすもしないままねむれていたんだ)

キスもしないまま　眠れていたんだ

(なきがおもへんなかおも)

泣き顔も　変な顔も

(ぼくにしかみせないといってくれたね)

僕にしか見せないと言ってくれたね

(そのことばをしんじてばかみたいだな)

その言葉を信じて　馬鹿みたいだな

(はじめからきみのなかぼくはいないのに)

はじめから君の中　僕はいないのに

(きみがだれかをわすれられないように)

君が誰かを　忘れられないように

(ぼくはきみをわすれられないんだ)

僕は君を　忘れられないんだ

(とらんぷでもしよういまのぼくなら)

トランプでもしよう　今の僕なら

(なににでもなれるじょーかーもってるんだよ)

何にでもなれるジョーカー持ってるんだよ

(きみがだれをみてだれをおもっても)

君が誰を見て　誰を思っても

(ぼくのとなりにいてほしかった)

僕の隣に　いて欲しかった

(あさがくるまでしらないふりして)

朝が来るまで　知らないふりして

(ぼくのよこでねむってほしかった)

僕の横で　眠ってほしかった

(きみはなにをみてなにをおもって)

君は何を見て　何を思って

(ぼくのとなりにいたのだろう)

僕の隣に　いたのだろう

(おもえばあのころからぼくたちは)

思えばあの頃から僕たちは

(きすもしないままねむれていたんだ)

キスもしないまま　眠れていたんだ

(ねむれていたんだ・・・)

眠れていたんだ・・・

(つきあかりがまどのむこう)

月明かりが　窓の向こう

(ぼくのへやにせをむけていた)

僕の部屋に　背を向けていた