横顔～わたしの知らない桜～

(もうなんどきせつをみおくり)

もう何度 季節を見送り

(こないれんらくをまつこともやめて)

来ない連絡を待つこともやめて

(なにげないまいにちがすこし)

何気ない 毎日が少し

(そくどをあげはじめてながれていく)

速度を上げ始めて 流れていく

(いちめんにうつくしくさいた)

一面に美しく 咲いた

(うすべにいろのはなびら)

薄紅色の花びら

(あのときのけしきが)

あの時の景色が

(つきひをこえても)

月日を 越えても

(めをとじればうかんでくる)

目を閉じれば 浮かんでくる

(しあわせなひびとあのころのえがお)

幸せな日々と あの頃の笑顔

(くもまからやさしくてらす)

雲間から やさしく 照らす

(ひざしのなかでふたり)

陽射しの中で二人

(けっしてゆびさきは)

決して 指先は

(はなれることはなかった)

離れることはなかった

(まるでだれかが)

まるで誰かが

(つくりあげたような)

つくりあげたような

(かぜにちったまんかいのさくら)

風に散った 満開の桜

(ことばをうしなうみらいをしらないふたり)

言葉を失う 未来を知らない二人

(いつからふたりのあいだに)

いつから 二人の間に

(すれちがいがおこりはじめたのだろう)

すれ違いが起こり始めたのだろう

(あのときなにかがすこし)

あの時 何かが 少し

(かわりはじめていたけど)

変わり始めていたけど

(ふたりのきもちは)

二人の気持ちは

(きっとまだつながってた)

きっとまだ つながってた

(まるでだれかが)

まるで誰かが

(つくりあげたような)

つくりあげたような

(かぜにちったまんかいのさくら)

風に散った 満開の桜

(おもいでのなかにいまもさきつづけている)

思い出の中に 今も咲き続けている

(なつかしそうに)

懐かしそうに

(そうはなすかれの)

そう話す彼の

(よこがおをみるたびせつなくいたい)

横顔を見る度 切なく痛い

(わたしはとなりでただほほえみかけるだけ)

私は隣でただほほえみかけるだけ