おはよう。

(かみさまぼくのねがいごとどうかきいていて)

神様、僕の願い事どうか聞いていて

(まるでこのせかいがぼくをみはなしたみたいに)

まるでこの世界が僕を見放したみたいに

(ひだりてにのこるぬくもり)

左手に残るぬくもり

(なきたいときだってなみだはでてくれないね)

泣きたいときだって涙は出てくれないね

(おはようをきかせて)

おはようを聞かせて

(おちつきのないびょうしつでいしゃはおもいくちをひらいて)

落ち着きのない病室で医者は重い口を開いて

(もうめざめることはないと)

「もう目覚めることはない」と

(はつゆきがふったひのことなんどかみさまにこうぎをしても)

初雪が降った日のこと何度神様に抗議をしても

(じかんはもどらない)

時間は戻らない

(きみのわらうかおがだいすきだよって)

君の笑う顔が大好きだよって

(そんなふうにわらうきみのかおがだいすきなのに)

そんな風に笑う君の顔が大好きなのに

(あしたおきてねむいこえでおはようってきかせて)

明日起きて眠い声でおはようって聞かせて

(ちいさなてにぎってつぶやいた)

小さな手握って呟いた

(しあわせのひかりはあるひかがやきをうしなって)

幸せの光はある日輝きを失って

(きづけばはるがそこにいて)

気づけば春がそこにいて

(きみのみみもとでそっとなまえをよんでみた)

君の耳元でそっと名前を呼んでみた

(おかしいななみだがあふれた)

おかしいな　涙が溢れた

(まいこむしゅんこうかよいなれたびょうしつに)

舞い込む春光通い慣れた病室に

(ひびくしんでんずねむるきみ)

響く心電図眠る君

(こんなにおもっているのにとどかないの)

こんなに想っているのに届かないの

(いやだよもういちどめをさましてよ)

嫌だよもう一度目を覚ましてよ

(きみのわらうかおがだいすきなのに)

君の笑う顔が大好きなのに

(きみのやさしいこえもきよいこころもだいすきなのに)

君の優しい声も清い心も大好きなのに

(ねえかみさまどうかぼくのひかりをかえして)

ねえ神様どうか僕の光を返して

(ちいさなてにぎって)

小さな手握って

(きみのわらうかおがだいすきなぼくのてを)

君の笑う顔が大好きな僕の手を

(ぎゅっとにぎりかえしてくれたなみだがあふれるよ)

ぎゅっと握り返してくれた　涙が溢れるよ

(めをさましてねむいこえでおはようってわらった)

目を覚まして眠い声で「おはよう」って笑った

(しあわせのびょうしんがまたすすんでちいさなひかりはかがやいた)

幸せの秒針がまた進んで 小さな光は輝いた

(かみさまなみだでかすれたこえでありがとう)

神様、涙でかすれた声でありがとう