つぼみ

(ひとつだけわすれないでいてさよならをするひがきたって)

一つだけ忘れないでいて　さよならをする日が来たって

(ぼくたちのめはもうなみだをこぼすためにあるものじゃない)

僕たちの瞳はもう涙を　こぼすためにあるものじゃない

(おたがいのえがおをうつしあうためにあるんだよ)

お互いの笑顔を　映し合うためにあるんだよ

(たいようがいちにちをくばるぜんしんでそれをうけとめる)

太陽が一日を配る　全身でそれを受け止める

(はちがつのふもとでいまのぼくならしあわせにきづけるはず)

八月のふもとで　今の僕なら　幸せに気づけるはず

(ふゆのほしぞらみたいなつめたいそのてのひらで)

冬の星空みたいな　冷たいその掌で

(ぼくのてをあたためようとしてくれたひをおもいだす)

僕の手を温めようと　してくれた日を思い出す

(このせかいのひとりひとりがだれもいちまいのはなびらで)

この世界の一人一人が　誰も一枚の花びらで

(つぼみとははなびらがぎゅっとだきしめあっているすがたで)

つぼみとは花びらがぎゅっと　抱きしめ合っている姿で

(かぜにちぎれそうになってもたいようにくもがかぶさっても)

風に千切れそうになっても　太陽に雲が被さっても

(ぼくたちのめはもうなみだをこぼすためにあるものじゃない)

僕たちの目はもう涙を　こぼすためにあるものじゃない

(ゆめをみるためにあるんだよ)

夢を見るためにあるんだよ

(くりかえしてゆくひびのなかでだれだってときどきわすれる)

繰り返してゆく日々の中で　誰だって時々忘れる

(このちじょうにはなをさかせるためにつちにねがもぐったひのことを)

この地上に花を　咲かせるために　土に根が潜った日のことを

(みあげたそらのあおがかなしくみえるときには)

見上げた空の青が　悲しく見える時には

(はいいろににじむよかんをうたがいぬいてみせるから)

灰色に滲む予感を　疑い抜いて見せるから

(もしこわいゆめをみたらすぐにぼくをおこせばいいさ)

もし怖い夢を見たら　すぐに僕を起こせばいいさ

(とっておきのわらいばなしにきみがてんをつけてくれよ)

とっておきの笑い話に　君が点をつけてくれよ

(こどものようにてをつないでさあさまでずっとはなしていよう)

子供のように手をつないでさ　朝までずっと話していよう

(だきしめあってねむったっておなじゆめまではみれないから)

抱きしめ合って眠ったって　同じ夢までは見れないから

(きれいなよぞらをみつけたきみにもみせてあげたくって)

綺麗な夜空を見つけた　君にも見せてあげたくって

(しゃしんにとってみたけどおもったよりきれいにうつらなくて)

写真に撮ってみたけど　思ったより綺麗に写らなくて

(あいのまちぼうけなんてもうやめることにしたよ)

愛の待ちぼうけなんて　もうやめることにしたよ

(よろこびもかなしみもひとりじめじゃさみしいもの)

喜びも　悲しみも　独り占めじゃ寂しいもの

(ねぇぼくらはねぇぼくらは)

ねぇ　ぼくらは　ねぇ　ぼくらは

(このせかいのひとりひとりがだれもいちまいのはなびらで)

この世界の一人一人が　誰も一枚の花びらで

(つぼみとははなびらがぎゅっとだきしめあっているすがたで)

つぼみとは花びらがぎゅっと　抱きしめ合っている姿で

(おもいでがうしろになびいてもてとてがほどけそうになっても)

思い出が後ろになびいても　手と手がほどけそうになっても

(めにみえないところでそっとずっとつながってるから)

目に見えないところで　そっと　ずっと　繋がってるから

(ぼくたちはもうひとりじゃないひとつだよ)

僕たちはもう　独りじゃない　ひとつだよ