キャラメルプリン

(なにかをきたいしすぎたって)

何かを期待しすぎたって

(きせきのようなとつぜんへんいはおこりっこない)

奇跡のような突然変異は起こりっこない

(なんどものぞいたかぎあな)

何度ものぞいたカギ穴

(やっぱりきょうもおんなじながめ)

やっぱり今日も同じ眺め

(でんしんばしらのかげだけがごみくずみたいにころがっている)

電信柱の影だけがゴミくずみたいに転がっている

(ほんのりとあまいあのあじはしらぬまになくなっていた)

ほんのりと甘いあの味は 知らぬ間になくなっていた

(のみすぎたそのよにつきとくもがごっつんこ)

飲みすぎたその夜に 月と雲がごっつんこ

(ごめんなさいといいながらかるくほほにきすをする)

ごめんなさいと言いながら 軽く頬にキスをする

(こうえんのべんちにこしかけて)

公園のベンチに腰かけて

(ふたりでたべたきゃらめるぷりん)

二人で食べたキャラメルプリン

(なみだでにじむゆうやけいろ)

涙でにじむ夕焼け色

(なみだでにじむゆうやけいろ)

涙でにじむ夕焼け色

(ぶらっくこーひーのめるよ)

ブラックコーヒー飲めるよ

(しごとのあとのびーるもおいしい)

仕事の後のビールもおいしい

(でもほんとはねきゃらめるぷりんのがすきだよ)

でもホントはね キャラメルプリンのが好きだよ

(わすれたふりをしてたけど)

忘れたふりをしてたけど

(おいしいねといった)

おいしいねと言った

(ごめんねといった)

ごめんねと言った

(あまくてにがいさいごのあじ)

甘くて苦い 最後の味

(さびついたぶらんこかぜがそっとゆらしてる)

サビついたブランコ 風がそっと揺らしてる

(さびついたぶらんこかぜがそっとゆらしてる)

サビついたブランコ 風がそっと揺らしてる

(わたしをのこしてゆれている)

私を残して 揺れている

(ゆうがたのこんびにでひとりのこるはきゃらめるぷりん)

夕方のコンビニで 一人残るはキャラメルプリン

(わたしがつれてかえろうかきょうはこーひーやめるから)

私が連れて帰ろうか 今日はコーヒーやめるから

(あのそらのあのいろが)

あの空のあの色が

(あのかおのあのこえが)

あの顔のあの声が

(ほおぬけるかぜがやきついている)

頬抜ける風が 焼き付いている

(あるばむなしでおもいうかぶ)

アルバムなしで思い浮かぶ

(おいしいねといった)

おいしいねと言った

(ごめんねといった)

ごめんねと言った

(あまくてにがいゆうやけいろ)

甘くて苦い 夕焼け色

(なみだでにじむゆうやけいろ)

涙でにじむ夕焼け色