トワイライト急行

(こなゆきのまうさっぽろえきのほーむできみとふたりながいまふらーまいて)

粉雪の舞う札幌駅のホームで　君と二人長いマフラー巻いて

(かじかんだてをぎゅっとにぎってのぼりゆきをまっているんだ)

悴んだ手をぎゅっと握って　上り行きを待っているんだ

(みおくりはだいじょうぶといったのにきみはいえのまえではなをあかくしてさ)

見送りは大丈夫と言ったのに　君は家の前で鼻を赤くしてさ

(たまたまえきにようじがあってなんていうから)

「たまたま駅に用事が有って」なんて言うから

(はなしたいことはたくさんあるんだでも)

話したい事は沢山有るんだ　でも

(ことばにするととたんになきそうでさなにもいえなくなってしまうよ)

言葉にすると途端に泣きそうでさ　何も言えなくなってしまうよ

(ふあんときたいをかかえながらぼくらはきょうをまたあるいていくんだ)

不安と期待を抱えながら　僕らは今日をまた歩いていくんだ

(わすれないでぼくがここにいたことを)

忘れないで　僕が此処に居た事を

(えがいたみらいをかなえたくてぼくらはきょうをまたおいていくんだ)

描いた未来を叶えたくて　僕らは今日をまた置いていくんだ

(きみにいつかつたえたいことはまだむねにしまったまま)

君にいつか伝えたい事は　まだ胸に仕舞ったまま

(すっかりさめたかんこーひーのみきってきみのゆびをすこしつよくにぎって)

すっかり冷めた缶コーヒー飲みきって　君の指を少し強く握って

(そろそろいくねてがみをかくよそういっててをはなした)

「そろそろ行くね、手紙を書くよ」そう言って手を離した

(きみはたちあがりぼくにまふらーまいてそっとむねにかおをうずめていった)

君は立ち上がり僕にマフラー巻いて　そっと胸に顔をうずめて言った

(げんきでいてねずっとすきだよそらがにじんだ)

「元気でいてね、ずっと好きだよ」空が滲んだ

(なりひびくべるさいごのきみとのきす)

鳴り響くベル　最後の君とのキス

(しまるどあごしてをふりまたあおうねくしゃくしゃのきみがわらった)

閉まるドア越し手を振り「また会おうね」くしゃくしゃの君が笑った

(であいとわかれをかかえながらぼくらはまたおとなになっていくんだ)

出会いと別れを抱えながら　僕らはまた大人になっていくんだ

(わすれないよきみとここにいたことを)

忘れないよ　君と此処に居た事を

(おわらないきょうがつづいたってぼくらはそれをえらばないだろう)

終わらない今日が続いたって　僕らはそれを選ばないだろう

(きみといつかまたあえるときをたいせつにおもえるから)

君といつかまた会える時を　大切に思えるから

(ちいさくなるきみのすがたがいとしくてなみだがとまらないんだ)

小さくなる君の姿が愛しくて　涙が止まらないんだ

(こえをころしてきみをおもったさっきもらったまふらーにきみがのこってた)

声を殺して君を想った　さっき貰ったマフラーに　君が残ってた

(えがおもなみだもかかえながらぼくらはきょうをまたあるいていくんだ)

笑顔も涙も抱えながら　僕らは今日をまた歩いて行くんだ

(わすれないよきみのことばもこえも)

忘れないよ　君の言葉も声も

(えがいたみらいをかなえたくてぼくらはきょうをまたおいていくんだ)

描いた未来を叶えたくて　僕らは今日をまた置いていくんだ

(きみにいつかつたえようとおもうんだ)

君にいつか伝えようと思うんだ

(きみにはじめてあったひのこときみとはじめててをつないだひのこと)

君に初めて会った日の事　君と初めて手を繋いだ日の事

(わすれないよきみとともにいたことを)

忘れないよ　君と共に居た事を

(にごってるそらもこのにおいもきみとすごしてきたきょうまでぜんぶ)

濁ってる空もこの匂いも　君と過ごしてきた今日まで全部

(きみにいつかつたえるときまでたいせつにしまっておこう)

君にいつか伝える時まで　大切に仕舞っておこう

(こなゆきのまうさっぽろえきのほーむでぼくはひとりながいまふらーまいて)

粉雪の舞う札幌駅のホームで　僕は一人長いマフラー巻いて

(あせばんだてをぎゅっとにぎってきみのことをまっているんだ)

汗ばんだ手をぎゅっと握って　君の事を待っているんだ

(むかえはいらないといったのにきみはでんわごしにおもいだしわらいながら)

迎えはいらないと言ったのに　君は電話越しに思い出し笑いながら

(たまたまえきにようじがあってなんてむじゃきなこえでほら)

「たまたま駅に用事が有って」なんて無邪気な声で　ほら