迷宮壁

(わたくしがまてんろうだいひょうのじんぐうじじゃくらい。)

私が魔天狼代表の神宮寺寂雷。

(おあつらえむきのじゃあくなるすてーじ。)

御誂え向きの邪悪なるステージ。

(ここでいっせきをとうじる。そしてげいじゅつをおもんじる。)

ここで一石を投じる。そして芸術を重んじる。

(いくどとなくながしてきたちやなみだ、)

幾度となく流してきた血や涙、

(それらはいつしかかてとなりちからになる。)

それらはいつしか糧となり力になる。

(とは、けっしていいがたい、)

とは、決して言い難い、

(ゆびおりかぞえてもまたきりがない、おもい。)

指折り数えてもまたきりがない、思い。

(めさきのことがみえず、かみちぎったつめのさき、)

目先のことが見えず、噛みちぎった爪の先、

(まるでそれはちいさなみかづき。)

まるでそれは小さな三日月。

(なまぬるいかんきょうにさめぬよう、)

生ぬるい環境に冷めぬよう、

(わたくしはあえていてついたみちをえらぶ。)

私はあえて凍てついた道を選ぶ。

(いきるためにしぬかもしくはしぬためにいきるか、)

生きる為に死ぬかもしくは死ぬ為に生きるか、

(こたえならばこうしゃ、それがわたしたちのしゅくめいだ、)

答えならば後者、それが私たちの宿命だ、

(だが、みをけずるいみをはきちがえて、)

だが、身を削る意味を履き違えて、

(このみをほろぼすたみをこのめでなんにんもみてきた。)

この身を滅ぼす民をこの目で何人も見てきた。

(いぬやねこにだってもちろんいたみはそんざいする。)

犬や猫にだって勿論痛みは存在する。

(おろかなにんげんによってしはいされたこのちきゅう、)

愚かな人間によって支配されたこの地球、

(じゆうなげんじょうにこそにしばられ、しあわせをみさだめ、)

自由な現状にこそに縛られ、幸せを見定め、

(みずからのちからではいきることはとうていふかのうだ。)

自らの力では生きることは到底不可能だ。

(ひょうげんすらおんがく。)

表現すら音楽。

(かわりばえのないあすをまちのぞむかおそれるか)

変わり映えのない明日を待ち望むか怖れるか

(どちらにせよとけいのはりはひだりにはすすまない。)

どちらにせよ時計の針は左には進まない。

(わかってる、まちなみはさわいでる。)

分かってる、街並みは騒いでる。

(ざっとうにまぎれこんだたみたちもいずれいきたえる。)

雑踏に紛れこんだ民達もいずれ息絶える。

(あしたかもしれない。いやいまかもしれない。)

明日かもしれない。いや今かもしれない。

(だとすりゃわらってられない。だまってはいられない。)

だとすりゃ笑ってられない。黙ってはいられない。

(せいかいはない、だがおいもとめはしりたい。)

正解はない、だが追い求め走りたい。

(あざわらいもしかたない、せいめいははかない、)

嘲笑いも仕方ない、生命は儚い、

(ならばこのみひとつでしぬちょくぜんにはわらいたい。)

ならばこの身一つで死ぬ直前には笑いたい。

(なあ？しんだらどこにむかうんだろう。)

なあ？死んだら何処に向かうんだろう。

(いきているわたしらにはわかりはしないばしょ。)

生きている私らには分かりはしない場所。

(ちきゅうはなぜまるいのにとがっているんだろう。)

地球は何故丸いのに尖っているんだろう。

(にくしみをいだき、いがみあいをくりかえすの？)

憎しみを抱き、啀み合いを繰り返すの？

(いきることがいきがいか？しあわせとはなにか？)

生きることが生きがいか？幸せとは何か？

(さがしているつもりなのにわからないままなんて、わらわせてくれるな。)

探しているつもりなのに分からないままなんて、笑わせてくれるな。

(あざわらってみてるやつ。)

嘲笑って見てる奴。

(だれかがいけばまたさわぎたてるんだろう？)

誰かが逝けばまた騒ぎ立てるんだろう？

(いつしか、つながれたちぇーんでみうごきもとれず、)

いつしか、繋がれたチェーンで身動きも取れず、

(ふさがれたこまくでもつたえたいりあるがある。)

塞がれた鼓膜でも伝えたいリアルがある。

(１２しょくのしきさいじゃおさまりきれないほどの)

12色の色彩じゃ収まりきれないほどの

(なんしゅるいのこえやひょうじょうがある。)

何種類の声や表情がある。

(ひとすじのこうみょう、てをのばす、きおくにものこるの？)

一筋の光明、手を伸ばす、記憶にも残るの？

(いまもなお、はびこってるよのふじょうり、)

今も尚、蔓延ってる世の不条理、

(だれだってわらいたい。だれだってゆめみたい。)

誰だって笑いたい。誰だって夢見たい。

(なあいきたえたあいつだっていきたかったはずだろ。)

なあ息絶えたアイツだって生きたかったはずだろ。

(なあ？しんだらどこにむかうんだろう。)

なあ？死んだら何処に向かうんだろう。

(いきているわたしらにはわかりはしないばしょ。)

生きている私らには分かりはしない場所。

(ちきゅうはなぜまるいのにとがっているんだろう。)

地球は何故丸いのに尖っているんだろう。

(にくしみをいだき、いがみあいをくりかえすの？)

憎しみを抱き、啀み合いを繰り返すの？

(だれもおしえてくれるわけなんてなく。)

誰も教えてくれる訳なんてなく。

(こどくでもみをけずりおいもとめるすべをしる。)

孤独でも身を削り追い求める術を知る。

(あがいてもいきてやれ。うたがいもひつようだ、)

足掻いても生きてやれ。疑いも必要だ、

(あがいてもいきてやれ。うたがいもひつようだ、)

足掻いても生きてやれ。疑いも必要だ、

(きずのなめあいはせず、みずからでちをあらえ。)

傷の舐め合いはせず、自らで血を洗え。

(じだいがかわろうと、ひとのまごころはかわらないから。)

時代が変わろうと、人の真心は変わらないから。

(にがいけいけんもあまいみつにきっとなる。)

苦い経験も甘い蜜にきっとなる。

(しっとやねたみひぼうちゅうしょうにはいぼくをきっするまけざまなど)

嫉妬や妬み誹謗中傷に敗北を喫する負けざまなど

(わたしはこれいじょうはみたくない。)

私はこれ以上は見たくない。

(ふあんていなじょうちょがあんていしてもたちあがれ。)

不安定な情緒が安定しても立ち上がれ。

(かいがんするまぶたからたれおちるなみだあめ、なりあがれ、)

開眼する瞼から垂れ落ちる涙雨、成り上がれ、

(こてさきのことばにはしんらいはない。)

小手先の言葉には信頼はない。

(みえぬものがきっとみてるなにもしんぱいはない。)

見えぬ者がきっと見てる何も心配はない。

(いっさいはかいせずにうむもいわせない。)

一切破壊せずに有無も言わせない。

(きせいがいねんにとらわれてじぶんをみうしなうな。)

既成概念に囚われて自分を見失うな。

(どうこうをひらいたままでいまもゆめをみてる。)

瞳孔を開いたままで今も夢を見てる。

(いまにみとけではなくいまのわたしをみてくれ、)

今に見とけではなく今の私を見てくれ、

(せまいこのちきゅうじょうをみおろしてわらうひろいそら。)

狭いこの地球上を見下ろして笑う広い空。

(そこからみあげててんにねがいさがすいこいのば。)

そこから見上げて天に願い探す憩いの場。

(「めいきゅうへきのらびりんすうぉーる。)

「迷宮壁のラビリンスウォール。

(ぬけだすためにまだまだじかんはかかりそうだ。)

抜け出すためにまだまだ時間はかかりそうだ。

(いきるということはいたいんだ。そのこたえにいまもなおもだえ、)

生きるということは痛いんだ。その答えに今もなお悶え、

(わたしたちにんげんはあらそいをくりかえしてる。)

私達人間は争いを繰り返してる。

(じんせいはかちまけなんだ。きれいごとはつうようしない。)

人生は勝ち負けなんだ。綺麗事は通用しない。

(よわさをじふすることのつよさ、つよさをじふすることのよわさ、)

弱さを自負することの強さ、強さを自負することの弱さ、

(ざせつやはいぼく、のあじをかみしめ)

挫折や敗北、の味を噛み締め

(くいしばりながらきょうもたちむかうよ。」)

食い縛りながら今日も立ち向かうよ。」