キミトグライド

(きみとまださかのとちゅう)

君とまだ 坂の途中

(かざみどりしらんぷり)

風見鶏 知らんぷり

(ゆれるしろいわたげは)

揺れる白い綿毛は

(とぎれたはるのよう)

途切れた春のよう

(だれもいないばしょへでかけましょう)

誰もいない場所へ出かけましょう

(はなればなれあえなくなるのなら)

はなればなれ 会えなくなるのなら

(ふきつけるかぜをこえて)

吹きつける風を越えて

(とおくとおくをめざしてはしった)

遠く遠くを目指して走った

(どこもいけやしないのに)

どこも行けやしないのに

(たしかなものはほんのすこしだけ)

確かなものは ほんの少しだけ

(ぼくらはゆめみてた)

僕らは夢見てた

(じぶんさえもまもれやしないのに)

自分さえも守れやしないのに

(にぎりしめたきみのてを)

握りしめた君の手を

(まもりたいとねがえばねがうほど)

守りたいと願えば願うほど

(はなびらちってくよ)

花びら散ってくよ

(それははるのもよう)

それは春の模様

(いたいくらいあおいな)

痛いくらい青いな

(わたりどりわたるそら)

渡り鳥 渡る空

(うつくしきとうひこう)

美しき逃避行

(あしたはあめもよう)

明日は雨模様

(すべてすてておなじゆめをみよう)

全て捨てて同じ夢を見よう

(のぼりくだりけんかもしながら)

のぼりくだり けんかもしながら

(さよならできないいまは)

さよならできない 今は

(とおくとおくへいけるきがしてた)

遠く遠くへ行ける気がしてた

(どこへもとどかないのに)

どこへも届かないのに

(たしかめられたものはすこしだけ)

確かめられたものは 少しだけ

(いきてるきがしてた)

生きてる気がしてた

(ぼくらまちがいだらけですすんだ)

僕ら間違いだらけで進んだ

(ついたうそはだれのため)

ついた嘘は誰のため

(かなうはずないすてきなねがいは)

叶うはずない素敵な願いは

(みちにさいていくよ)

道に咲いていくよ

(こわくないってうそをついててそーりー)

怖くないって 嘘をついてて ソーリー

(むちゃばかりはしてられないねべいびー)

無茶ばかりは してられないね ベイビー

(きみをまもるなら)

君を守るなら

(とおくとおくをめざしてはしった)

遠く遠くを目指して走った

(そばにきみはいないのに)

そばに君はいないのに

(てのひらのこるものはすこしだけ)

手のひら残るものは少しだけ

(かぜがぬすんでくよ)

風が盗んでくよ

(しろいわたげはぼくをおいこして)

白い綿毛は僕を追い越して

(つぎのきせつゆめみてる)

次の季節 夢見てる

(あのひふっとふきけしたひかりは)

あの日ふっと吹き消した光は

(せめておぼえとくよ)

せめて覚えとくよ

(はるがすぎていくよ)

春が過ぎていくよ