未練レコード

(まだほんのちょっとみれんがましく)

まだほんのちょっと未練がましく

(きみがすきだったうたをかけてみる)

キミが好きだった歌をかけてみる

(うごかなくなったはしらどけいのはり)

動かなくなった柱時計の針

(ただからまわったはぐるまがひとつ)

ただ空回った歯車がひとつ

(すとらとのなきごえがひびいた)

ストラトの泣き声が響いた

(わたしのなまえなんてわすれていいよ)

私の名前なんて忘れていいよ

(ひらりまいちるはなのように)

ヒラリ　舞い散る花のように

(だけどいつかこのうたをきくときは)

だけどいつかこの歌を聴くときは

(ねえ、となりにだれかがいたことおもいだして)

ねえ、隣に誰かがいたこと思い出して

(「おしあわせにね」)

「お幸せにね」

(ってさいごのことば)

って最後の言葉

(むりにつよがってわらってみたけど)

無理につよがって笑ってみたけど

(わたしとつきあっていたころよりも)

私と付き合っていたころよりも

(しあわせになってほしくはないのよ)

幸せになってほしくはないのよ

(ばすどらがこころをけとばした)

バスドラが心を蹴飛ばした

(はつでーとのしゃしんもぺありんぐも)

初デートの写真もペアリングも

(かんたんにすてられたのに)

簡単に捨てられたのに

(むねにきざまれたうたごえのせいで)

胸に刻まれた歌声のせいで

(また、きみのえがおおもいだしてしまうんだ)

また、キミの笑顔思い出してしまうんだ

(わたしのなきごえがひびいた)

私の泣き声が響いた

(くさりでつなぎとめられためろでぃー)

鎖で繋ぎ止められたメロディー

(もうさよならつげるために)

もうサヨナラ告げるために

(ぷれいりすとからしょうきょしようとして)

プレイリストから消去しようとして

(でも、それすらもできなくて)

でも、それすらもできなくて

(どうせわすれることはできないから)

どうせ忘れることはできないから

(みれんがましくいきてゆく)

未練がましく生きてゆく

(せめてつぎにこのうたをきくときは)

せめて次にこの歌を聴くときは

(ねえ、いまよりもじょうずにわらえるように)

ねえ、今よりも上手に笑えるように

(ねえ、さいごまでなみだをながさないように)

ねえ、最後まで涙を流さないように