エバのソネット

(ふたたびきたぞたたかいがやつらはおれをねらい きばをとぎおいつめてくるぞ)

再び来たぞ　闘いが　奴等は俺を狙い 牙を研ぎ追い詰めて来るぞ

(いつもかちぬいたふたり みかたはいまもついてる)

いつも勝ち抜いた二人 味方は今も付いてる

(しんじあえるひとびと どんなときにもじんみんとともに)

信じ合える人々 どんな時にも人民と共に

(めをさませせいじかのにんきとちからはべつだよ)

目を覚ませ　政治家の人気と力は別だよ

(いいえべつではないわ)

いいえ　別ではないわ

(たいしゅうはつねにきまぐれだ あやつりやすくもえやすいがすぐさめる)

大衆は常に気紛れだ 操り易く燃え易いが直ぐ冷める

(いつかはうらぎられるおんをわすれて はんたいはのぐんじんにいわせればおまえなど)

何時かは裏切られる恩を忘れて 反対派の軍人に言わせればお前など

(せいじかとしてはもんだいがい)

政治家としては問題外

(もんだいがいひどいぶじょく せかいがしってるわきいてごらんなさい)

問題外？　酷い侮辱 世界が知ってるわ聞いて御覧なさい

(わたしこそあるぜんちんよ)

私こそアルゼンチンよ

(それじゃわたしふくだいとうりょうになるわ そしてささげるわすべてをくにのため)

それじゃ私　副大統領になるわ そして捧げるわ　全てを国の為

(そうはいかんといっただろう ぐんぶにははんたいがあふれている)

そうはいかんと言っただろう 軍部には反対が溢れている

(わたしにはおさえられない えばむりだよかてたとしても)

私には抑えられない エバ無理だよ　勝てたとしても

(むり)

無理？

(おまえのからだがもつまい むかしのおまえじゃない)

お前の体が持つまい 昔のお前じゃない

(しずかにやすむのだえがおさえまばゆいかがやきうしない またむりをすればいのちとり)

静かに休むのだ　笑顔さえ　眩い輝き失い また無理をすれば命とり

(やめてよびょうきがなによ よくないひもあるけれど)

やめてよ　病気が何よ 良くない日もあるけれど

(はねかえせるわかならず いきぬいてきたつよく)

跳ね返せるわ必ず 生き抜いてきた強く

(もしいまたおれたらみずのあわ)

もし今倒れたら水の泡

(そう びょうきをりようしてどうじょうをあつめなさい)

そう！ 病気を利用して　同情を集めなさい

(しぬかもしれないのだよこころがこおる)

死ぬかもしれないのだよ　心が凍る

(もちろんおまえはしんだりはしないよ)

勿論　お前は死んだりはしないよ

(ではふくだいとうりょうにして)

では副大統領にして

(こくみんはえらんでくれるふたりはあいされてる みちもひろばもうめつくすぐんしゅう)

国民は選んでくれる　二人は愛されてる 道も広場も埋め尽くす群衆

(かんこのどよめきそらをゆるがす そうよだれもがしってるわたしこそあるぜんちん)

歓呼のどよめき　空を揺るがす そうよ　誰もが知ってる　私こそアルゼンチン

(ああさいごのゆめなの)

ああ最後の夢なの

(つぎはどうする つぎはどうする)

次はどうする 次はどうする

(どこへいくの)

何処へ行くの

(おれはしらない)

俺は知らない