言い訳

(それじゃあまたあおうねってゆうぞらになげたやくそくは)

「それじゃあまた会おうね」って 夕空に投げた約束は

(きっとよるのなかにとけてしまったんだ)

きっと夜の中に溶けてしまったんだ

(なくしたものかぞえてうかんだこえひとつひとつたどって)

失くしたもの数えて 浮かんだ声ひとつひとつ辿って

(でもねさよならなんて)

でもね、さよならなんて

(いっていないこのぺーじはおもいでをまってる)

言っていない このページは思い出を待ってる

(あのひどうしてかなあんなにたくさん)

あの日 どうしてかな あんなにたくさん

(いっしょになんどもはりをまわしたのに)

一緒に、何度も針を回したのに

(いつのまにかかわっていったぼくら)

いつの間にか 変わっていった僕ら

(あのひのたいそうなしそうはいまごろきっとないているんだろう)

あの日の大層な思想は 今頃きっと泣いているんだろう

(あきらめたわけじゃなかったんだいまでもおもいだしてさ)

「諦めたわけじゃなかったんだ」今でも思い出してさ

(それってきっとさいこうになんせんすだとおもわないかい)

それってきっと 最高にナンセンスだ と思わないかい？

(てにしたものかぞえてうかんだこえひとつひとつたどって)

手にしたもの数えて 浮かんだ声ひとつひとつ辿って

(いつかてばなすんだよこのりょうてじゃたくさんはもてないから)

いつか手放すんだよ この両手じゃ沢山は持てないから

(あめはこうかいをあらいながして)

雨は後悔を洗い流して

(あれからすこしくらいつよくなれたかな)

あれから少しくらい 強くなれたかな

(きがつけばおとなになったぼくら)

気がつけば大人になった僕ら

(あのひのにがいあじはなみだにとかしてのみこんでしまったよ)

あの日の苦い味は 涙に溶かして飲み込んでしまったよ

(あきらめたわけじゃなかったんだいまさらがんばれなんて)

「諦めたわけじゃなかったんだ」今さら「頑張れ」なんて

(それってきっとさいこうになんせんすだとおもうけどさ)

それってきっと 最高にナンセンスだ と思うけどさ

(ずっとおなじようになんていられないのはわかっていたけど)

ずっと同じように なんていられないのは 分かっていたけど

(ぼくらがそこにつくりあげたじかんもことばもうたもなくしたくなくて)

僕らがそこに創り上げた 時間も言葉も歌も 失くしたくなくて

(それをもしもべつのばしょでべつのだれかがくちずさんで)

それをもしも別の場所で 別の誰かが口ずさんで

(そのとなりのだれかがえがおになったら)

その隣の誰かが笑顔になったら

(それをもしもめのまえにいるだれかがくちずさんでいたら)

それをもしも目の前にいる 誰かが口ずさんでいたら

(それならばもうそこにこうかいはないよ)

それならばもう そこに後悔はないよ

(いつのまにかとおくなったきみのあのひのたいそうなしそうは)

いつの間にか 遠くなった君の あの日の大層な思想は

(いまでもきっとかがやいているんだろう)

今でもきっと、輝いているんだろう

(あきらめたわけじゃなかったっていいわけがうまくなって)

「諦めたわけじゃなかった」って言い訳が上手くなって

(それってきっとださくてしょうがない)

それってきっと ダサくてしょうがない

(しんじつづけてればしんじつにじつげんしたのかな)

信じ続けてれば真実に実現したのかな

(もういちどだけこんなぼくもはしっていいかな)

もう一度だけこんな僕も走っていいかな？

(あきらめたりしないみえもしないおわりを)

諦めたりしない 見えもしない終わりを

(さがしてしまうのがぼくのわるいくせだ)

探してしまうのが 僕の悪い癖だ

(ってきづけたから)

って気づけたから