きみがすき

(はっぽうびじんのきみにしっとしつつもなにくわぬかおのぼくは)

八方美人の君に嫉妬しつつも何食わぬ顔の僕は

(やきもちをやいてんのをきみにしられたくなかったんだ)

やきもちを妬いてんのを君に知られたくなかったんだ

(あのふたりはとてもらぶらぶだねってかなしそうなかおのきみは)

あの二人はとてもラブラブだねって悲しそうな顔の君は

(よりそったふたりをみてうらやましそうにそういうんだ)

寄り添った二人を見てうらやましそうにそう言うんだ

(あのとききみをつよくいだきしめられたならまたこのばしょでわらえたかな)

あのとき君を強く抱きしめられたならまたこの場所で笑えたかな

(あぁもうおそいよね)

あぁもう遅いよね

(きみがすきでなんどもおもいえがいたよあのときのぼくはただおびえてただけ)

君が好きで何度も思い描いたよあのときの僕はただ怯えてただけ

(うしなってからたいせつさにきづくとかまわりのやつはえらそうにいうけど)

失ってから大切さに気づくとか周りの奴はえらそうに言うけど

(きみのたいせつさなんてそんなもんとっくにきづいてたんだ)

君の大切さなんてそんなもんとっくに気づいてたんだ

(あいじょうひょうげんのこんなんさにもだえたぼくがいえたわけがないだろ)

愛情表現の困難さにもだえた僕が言えたわけがないだろ

(あのひびのしあわせがきみがいたからなんてはずかしいこと)

あの日々の幸せが君がいたからなんて恥ずかしいこと

(あのとききみにほんとうのことをいえたならまたこのばしょでわらえたかな)

あのとき君に本当のことを言えたならまたこの場所で笑えたかな

(あぁもうおそいよね)

あぁもう遅いよね

(きみがすきでいくつもみつけたよあのときのぼくはただいえなかっただけ)

君が好きでいくつも見つけたよあのときの僕はただ言えなかっただけ

(つよがってきみのことばにうなづくだけのぼくにきみもつよがってわらってみせたんだね)

強がって君の言葉にうなづくだけの僕に君も強がって笑ってみせたんだね

(それでわらったつもりだったのかい)

それで笑ったつもりだったのかい

(くしゃくしゃのかおでぼくをみつめためになみだをうかべてさ)

くしゃくしゃの顔で僕を見つめた目に涙を浮かべてさ

(あのときのおもいはきみまでとどかなかったきみのおもいはいたいほどきこえてたのに)

あのときの想いは君まで届かなかった君の想いは痛いほど聞こえてたのに

(あのときのおもいをつたえられたらなんてつたえよう)

あのときの想いを伝えられたらなんて伝えよう

(さぁなんてうたおういまうたっていいかい？)

さぁなんて歌おう今歌っていいかい？

(きみがすきでなんどもさがしたよあのときのきみにやっとそれをうたえるよ)

君が好きで何度も探したよあのときの君にやっとそれを歌えるよ

(ぜんぶみとめるさきみへのやきもちもきみがいたこうふくなひびも)

全部認めるさ君へのやきもちも君がいた幸福な日々も

(ぼくのつよがりもみとめるよ)

僕の強がりも認めるよ

(きみがすきでいくつもことばをみつけたんだけど)

君が好きでいくつも言葉を見つけたんだけど

(きみがすきおもいはたったひとつだけだった)

きみがすき想いはたった一つだけだった